捜06-11 朱弼・誤中鬼腳
○朱弼
同郡の
ある夜、謝子木が寝ようとすると、突如訪問者が現れた。聞けば
「そなたは死体が腐り果てたのならばと、その誣告をなすりつけきることができると思っているのだな。よろしい、ならばそんなことが可能かどうか某日の夜に、ともに検証しようではないか」
言い終わると、弼氏は姿を消すのだった。
○誤中鬼腳
かつて夏侯綜が車に載って知人とともに外出していたとき、いきなり知人氏の袖を引き、路端の子供を指差し、言う。
「あの子は間もなく大病にかかるぞ」
まもなくしてその子は本当に病を得、瀕死となった。その子の母は、夏侯綜がなにかしたのではないかと疑い、夏侯綜に詰め寄った。
夏侯綜は言う。
「わしに他意はない。先日、この子の投げた泥が誤って鬼の足に当たったのだ。鬼は怒り、このため貴様の子に病を投げかけたのだ。酒と飯とを鬼に捧げれば、間もなくして癒えよう」
母が夏侯綜の言うとおりにすると、子の病は癒えた。
朱弼
會稽朱弼為國郎中令,營立第舍,未成而卒。同郡謝子木代其事,以弼死亡,乃簿書,多張功費,長百餘萬,以其贓誣弼,而實自入。子木夜寢,忽聞有人道弼姓字者。俄頃而到子木堂前,謂之曰:「卿以枯骨腐,專可得誣。當以某日夜,更與對證。」言終,忽然不見。
誤中鬼腳
夏侯綜為安西參軍,常見鬼,騎馬滿道,與人無異。嘗與人載行,忽牽人語,指道上有一小兒云:「此兒正須大病。」須臾,此兒果病,殆死。其母聞之,詰綜。綜云:「無他,此兒向於道中擲塗,誤中一鬼腳。鬼怒,故病汝兒爾。得以酒飯遺鬼,即差。」母如言,而愈。
(捜神後記6-11)
前段みたいな投げっぱなしからしか得られない栄養素がありますよねぇ……なんですかこの微妙に拾いきれない話……こういうのに車座になってああでもないこうでもないと語らい合うの最高すぎでしょ……。
後段はこれ、「誰の参軍か」を考えるのが楽しそうです。安西将軍って結構面白い人物が即いてるんですよね。東晋だと
なんでこう、偉大な称号を簡単に陳腐化させるんだろうなぁこの人たち……
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