第3話

 舗装された道路のひび割れから、ひょこっとなにかしらの植物が生えていて、花を咲かせている。また、違う場所では、捨てられたゴミの中で花を咲かせている。

 どちらの花も綺麗な水を吸っていないだろうに、成長して、花をつけて、堂々としている。

 わたしは日々、綺麗な水を飲んでいる。濁りのない透き通った綺麗な水。なのに、堂々とはできないし、綺麗に自分が育ってくれなかった。弘法筆を選ばず、というべきなのか、少し悲しくなった。

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