第4話
カフェの窓際、外は鮮やかだ。小さな丸いテーブルの上には可愛らしい観葉植物と紙ナプキンが置いてある。
店員さんがコーヒーを運んできてくれた。私は小さく一礼して、湯気の出ている熱いコーヒーを一口、ごくりと飲んだ。一日の始まりを優雅に過ごすと、まるで自分がクラシカルな思想家かのような気分になり、何かについて深く思索し始める。すると私は、一つのキラーフレーズを思いついた。全てが科学で解明されるべきではない、と。もし、全てのことが解明されてしまうと、私が今感じている風情や、感覚に価値がなくなってしまうのではないかと思う。そして、全てが解明されてしまうと、今こうやって思考する時間もなくなってしまうような。
全てが解き明かされないことにより、新しい問題に出会えなくなってしまいそうだ。生きる意味を考える必要すらなくなって、それこそ生きる意味を失ってしまう。
私のように、馬鹿であればあるほど、考えることがたくさんあるから、それだけ生きる意味もたくさんありそうな気がする。
こんな朝は心地がいい。
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