第2話

 私はあまり心が強くないから夜は感傷的になりがちだ。学校で友達と話をした内容を思い出しては、

「あの時こう言えばよかった」

 とか、

「言わなければよかった」

 とか、反省をする。

 一度そうなると、どんどん悩みが飛躍して、飛躍した先の悩みが大きくなって、また飛躍する。そして何故だか涙がスッと流れてしまう。

 そういう時は決まって散歩をする。イヤホンをして音楽を聴きながら月明かりの下をただ歩く。ブランコに乗ってぼーっとしてみたり、スマホで星座を調べながら空を眺めたり。

 夜になると自販機がやたら主張を強める。昼は目立たないのに。

 私も自販機のようだと思った。昼間に学校で過ごしている間はあまり自分のことを気にしない。でも、夜になると急に自分のことで頭がいっぱいになって、世界には自分一人しかいないような窮屈さが襲ってくる。

 星も同じだ。昼には気にならない悩みの星が、夜になると無数に光り始める。

 多分、夜になると宇宙は丸ごと私になってしまう。

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