第一章 参幕⑤
「一体何が起こってやがる!?」
「俺にもわからん!だが連邦にとってもイレギュラーが生じたことは断言できる」
爆発の直後。家から飛び出したレオとシロウサギは炎がする方向へと目を向ける。りなが去った直後、突如として爆撃音のようなものが聞こえ、辺りが絵の具を塗ったかのように朱色に染められた。炎の出場所。極端に色の濃い場所はどこだ?レオは目を細め遠くを見やる。どうやらその場所は然程遠くなく、レオの家から向かって東側に位置する山の中腹辺りであった。
「りなの家って確かあそこらへんじゃ……まさか。シロ!!」
合点がいったようにレオはシロウサギを見る。
「恐らくは日の出どころは八神家だ」
何か確信したかのようにシロウサギはレオを見つめ頷く。
「どういうことだ?連邦の狙いは俺達だったんじゃ、」
レオが言い終わるや否や炎の出どころと二人が目を付けた場所から放射状に火の玉が町に向かって放たれる。
「シロ!!」
「分かっている!!」
グレイシャという声と共に無数の氷の塊が二人を襲う炎を穿つ。空中で相殺された炎は軽い暴発音を鳴らし空へと消えていく。
「奴らは俺達に攻撃しているんじゃない。無差別にこの町を焼き払おうとしているようにも思う」
臨戦態勢を解きシロウサギは炎が未だ燃え上がっている山へと目を配る。
「なら、」
「ああ、根源を叩くしかない。いくぞ、レオ」
「ああ!」
炎の先へと向かっていってしまったりなを心配しつつ、レオは勇み足を刻み前へと進んだ。
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