破壊と移動

ーーーー同時刻天界ーーーー


「あのクソオタクもう死んだかな。生きてたらどうしようか。」

女神は勇之助を最初から殺すつもりでしかなかった。勇者を殺して欲しいのは事実だが。

勇者は、自分の力を利用して犯罪ばかりを繰り返しているのである。女神はそれはどうでも良かった。だが、5年前に最高クラスの場所に連れてきて、異世界に送ったイケメンを殺されたため、勇者を恨んでいた。だが女神は世界に干渉できないので別世界から引っ張ってきて勇者殺しを依頼していたのだ。だがミスにより連れてこられた勇之助は女神にとっては邪魔者であり殺したいが殺せない。そのため異世界に送り勝手に死んでもらおうと思ったのだ。勇者殺しはその口実である。

女神はクリスタルを目の前に持ってきて勇之助の状況を映し出した。そこには燃えながら落ちる勇之助の姿が映っていた。

「燃えてんな。脂肪溶けてるだろこれは。地上に着く頃には炭になってるやろうしもういいか。」

そう言って女神は映像を消しクリスタルを元に戻した。


ーーー下界ーーーー


「「ドーーン」」

森の中に衝撃が走った。木々は薙ぎ倒され木片と化し岩も砕けその音を聞いた生物の鼓膜は破れてしまっていた。そして、落下地点にはおよそ半径1.5km深さ500mの窪みができていた。その中央には勇之助が刺さっていた。勇之助は落下無効により着地できたが、圧縮されていた空気が衝撃波をうみ地形を破壊したのであった。

勇之助は地上に上がり転がっていた丸太に腰をかけた。

「着地できたはいいが、森を破壊してしまったし近所に国なんかがあれば兵を寄越してくるだろう。長居はできそうにないな。移動するか。」

移動するとは言っても勇之助は浮遊を使えるが前後左右に動く術を持っていない。移動するためにはそれをすることができる物かスキルが必要である。

「どうするか。移動できれば良いのだから…手から空気を噴射しそれによって移動しよう。スキル名『噴射』効果『汗腺から空気を噴射する。』っと。よしSPはちゃんと減ったな。」

勇之助は『浮遊』を使用し高く上がり辺りを見渡した。その結果、あたりは森しかなく2方向はL字の山に囲まれていることがわかった。国は大抵、草原にあることが多いため、森を抜けるべく山とは反対の方向へ『噴射』を使い飛んでいった。

『噴射』は強さを変えることで加減速できるため時速300kmほどで移動していたら、200kmほど移動したところで『浮遊』『噴射』の効果が切れ落ち、転がっていった。

一度、岩に腰をかけステータスを確認してみるとMPが枯渇していた。

「そっかぁ、忘れてたけMPがいるんだまっとけば回復すっかな。」


ーーーー30分後ーーーー


「遅い30分待ってみても6しか回復していない。スキルの燃費はいいが回復が遅かったらダメだろ。

そうだ!魔力もスキルを使って作ればいいんだ。スキル名は『MP回復強化』で効果はって魔力生成の原理わかんないから作れないじゃん。ステータスに書いてないかな。『ステータス』」

開いてよくみてみると、左上に?があり、いかにも説明してくれそうなマークだ。

押してみると説明書が開いた。目次にはHP,MP,INT,VITなど色々な物が書いていたが、今必要なのはMPなので、MPをタップした。するとまた目次が出てきた。

「えーMPとは、MPの使い方、MPの料理方法、料理方法ってなんだ?まあ今は置いといてMPの作り方、あなたの知識から得たMPの使い方、MPの作り方だな。」

タップすると字が並んだそこには

『MPは心臓の隣にある器官の拍動により作られています。その器官を魔臓と言います。MPの作成料は魔臓の拍動に比例しており拍数が増えると増えます。また魔臓が強制的に動かされることでもMPは作られます。

MPは作り続けていると1拍作成量は増えます。現在魔臓拍数:65、1拍作成量:0.003076923077 。』

最後に

『魔臓拍数、1拍作成量をステータス欄に表示しますか?』

「そうか。MPはそのようにしてできていたんだな。作り方はわかったがなんだ?1拍作成量0.003076923077ってふざけてんのか。まあまずはステータス欄表示は『はい』と。じゃあ作るかスキル名は『MP回復強化』だったっけ?まあ効果は『魔臓を優しく且つ強くマッサージしMP回復を促す』と。」

SPはちゃんと減った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


3話目終わりました。

飽きずに3話を書けたことが嬉しいです。これからも飽きないように頑張りますのでどうかよろしくお願いします

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女神のミスで殺されたアニメオタク、勇者殺しを強制される。〜捨てられたのでステータス編集で女神を見返してやりましょう〜 知らないこと以外、全て知ってる者 @yomusenman

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