第15話 ついにバレてしまった!
3連休最終日の日曜日。早川さんは午後からバイトらしいので、午前中に俺の家でシコシコしてもらう事にした。仰向けで寝ている俺に充実した時間が流れる。
「気持ち良い? 颯君?」
「ああ…」
このままのんびりするのも良いが、何か話すのも悪くないな。
「そういえば昨日、佐宮さんと遊んだんだよな? どうだった?」
「楽しかったよ~。アニメ映画観たりランチ食べたり服買ったりしたんだ~」
「そうか。良かったな」
尾行はバレてないと考えるべきか…?
「後ね~。下着も買っちゃった♡」
「えっ!?」
よりによって、今言うか!?
「服買う時よりも盛り上がってさ~。デザインの好みとお金のやりくりでどれだけ苦労したか…」
服の時だって、結構時間かかってたぞ? それ以上だったなら早めに切り上げて良かった。
「今、その下着付けてるんだよ♡ もし颯君がお願いしてきたら…」
「お願いです。見せて下さい!」
プライドなんて初めてのシコシコで捨て去ったので、即お願いする。
「しょうがないな~。Hな先生なんだから♡」
早川さんは手を止め、Tシャツの裾を持ってゆっくりまくり始める。そして…、黒いブラがチラ見する。
「これ以上はダ・メ♡」
今の俺は、その程度では満足できそうにない。一応言ってみるか。
「わかった。代わりに下を少し見せてくれ」
「下!? どうしようかな~?」
「俺に出来る事は何でもする。指名を減らすとか…」
さすがにテストなどの成績に関わる事はできない。腐っても教師だからだ。
「颯君必死過ぎてウケるw …そうだな~、カッコイイところや頼もしいところを見せくれたら考えても良いよ」
「頼もしいは大体わかるが、カッコイイところって何だ?」
俺に女心がわかる訳ないだろ…。
「それは自分で考えて。同じ行動でも、状況やムードで印象変わるからさ~」
どうやら、頼もしいところを見せるのが手っ取り早いようだ。
調子に乗って2回戦した後、早川さんはバイト先に向かって行った。昨日の遊びで散財しただろうし、無理しない程度に頑張ってくれ。
そして3連休が終わり、月曜日を迎える。今日からいつも通りだから頑張らないとな!
校内での職員会議を済ませてから、俺は普段より少し早く2-Aに入った。…予想通り教室にいる人数が少ない。休み明けはこうなりがちなのが困る。
それでも徐々に、生徒達は登校してくる。ギリギリでも遅刻しないのは偉いぞ。遅刻が確定したのは…、
「誰か、篠崎さんの事聴いてるか~?」
教壇にいる俺は、生徒全員に確認してみる。
「聴いてないで~す」
今はその返答を信じよう。今はホームルームが最優先だ。
「わかった。じゃあホームルームを始め…」
「遅れてすみませ~ん!!」
教室の扉が開き、篠崎さんが大きな声で謝りながら入ってきた。
「篠崎さん遅刻だぞ」
「すみません。昨日ずっと、〇リキュアをぶっ通しで観てて…」
「アニメにうつつを抜かすのも程々にしろよ」
アニメ問わずのめり込む気持ちはわかるが、遅刻をフォローする事はできない。
「〇リキュアが面白いのは、磯ちゃんだってわかってくれるでしょ? 土曜に映画観に行ったんだから」
「えっ?」
「先生が〇リキュアの映画を…?」
ヤバい、クラスが変な空気になっている。
「篠崎さんそれは…」
「あっ、これ秘密だった」
てへぺろしてもごまかせないからな! やっぱり彼女にバレたのはマズかった…。
「しの、その話詳しく聴かせて」
長田さんが興味津々のようだ。
「アタシが□☆駅近くのショッピングモールにある映画館でバイトしてるのは知ってるよね? 磯ちゃんが1人で、土曜の朝いちばんの〇リキュアのチケットを買いに来たんだよ」
「マジで?」
「マジ。黒い帽子と白いマスクで変装してたけどさ~、いつも磯ちゃんの声聴いてるアタシ達をごまかすのは無理でしょ」
篠崎さんに暴露されたとはいえ、早川さん・佐宮さんを尾行した件はバレてないと思いたい。これだけなら、ただの〇リキュア好きで済むからだ。
早川さんが気になるので観たところ、笑顔で俺を観ている。一方の佐宮さんは、篠崎さん・長田さんの話を熱心に聴いている。
後が怖いな…。そう思いながら、ほとぼりが冷めるのを待ってからホームルームを始めるのだった。
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