第4話 そろそろ限界でしょ?
早川さんが再び俺の家に来た。そんな彼女が「更衣室で“さーちゃん”とヤった?」と訊いてきて…。一体どこからツッコめば良いんだ?
「なぁ、さーちゃんって誰の事だ?」
あだ名なのはわかるが、当てはまる人はたくさんいそうだ。
「佐宮さんの事だよ。職員室に体操服姿のさーちゃんが来たでしょ?」
「ちょっと待ってくれ。何でその事を早川さんが知ってるんだ?」
あの件を秘密にするように言ってないが、誰かに言う必要性は感じない。
「それは、さーちゃんの作戦をそばで聴いてたからだよ」
さっきから情報が細切れだな。順々に組み立てたい。
「早川さん。その作戦とやらを、1から教えてくれないか?」
「はいはい。朝のホームルームが終わって更衣室で着替える時に、あたしが周りのみんなに声をかけたんだよ。『颯君のあそこ、いつもと違ったね』って」
事の発端は早川さんか! まったく…。
「あたしだけじゃなくて、みんな気になってた感じでさ~。『男の人とあそこは一心同体だから、先生どこか悪いんじゃないの?』って流れになって…」
一心同体か…。当たらずとも遠からずだな。
「そこでさーちゃんが『更衣室に先生を呼び出して、色々訊きまくる作戦』を思い付いたんだよ。虫を理由にすれば来てくれると踏んでね」
朝のホームルーム前の虫退治がヒントになったようだ。
「そんな事のために、A組のみんなが協力したのか?」
「みんなじゃないよ? 早めに着替えて更衣室を出た人は無関係。でも虫退治が大変で時間がかかる事は朝の件でわかってるはずだから、さーちゃんが遅れる事に誰も文句言わなかったね」
「なるほど…」
話の流れはわかったものの、肝心な事を確認していない。訊くべきか否か…。
「更衣室で、颯君とさーちゃんは2人きりだった訳じゃん? だからヤったかな~と思って♪」
俺が訊くまでもなく、早川さんが掘り下げてきた。
「ヤる訳ないだろ!」
「ホントに? さーちゃんの脱いだ制服をクンカクンカもしてないの?」
「してない!」
ツッコみ過ぎて疲れてきた…。
「それは良くないな~。颯君はいつもより我慢してるから、たまってるよね?」
そう言って、早川さんは俺との距離を詰めてきた。そして昨日同様ズボン越しにあそこをさすってくる。やはり気持ち良い…。
「あたし達生徒が、先生の颯君に出来る事は限られてる。だから遠慮しないで♪」
「…早川さんは、他の男にもこういう事するのか?」
つい言葉に出してしまったが、訊いて何になる?
「した事ない。颯君とは1年以上付き合いがあるからできるんだよ。卒業までA組のみんなをよろしくね。その代わり…、ここの事はあたしに任せて♪」
俺にしかやらない特別感とさすられる気持ち良さに、心は限界寸前だ。このまま受け入れて楽になってしまおうか…?
「颯君、そろそろ限界じゃない? ファスナー開けて良い?」
「……ああ」
ついに、早川さんは“直接”触り始める。やはり生は良い…。
「颯君の気持ち良さそうな顔見てると、あたしも嬉しくなるよ♪」
彼女の笑顔を見てホッとした俺は、すぐ限界に達したのだった…。
「颯君、ティッシュと洗面台借りるね~」
事が済み、早川さんは俺のそばから離れる。
生徒相手にヤってしまった…。これが学校関係者にバレたらクビ確定だぞ。この秘密は何が何でも守らないと!
「お待たせ~。使わせてくれてありがとね」
「…気にしなくて良い」
後悔しても変わらないんだ。ならこの1回を前向きに捉えよう。
「颯君に訊きたい事は他にもあるんだけど、もう遅いから帰るね」
「わかった。家が近くても油断するんじゃないぞ」
「大丈夫だって。じゃあ、また明日学校で」
早川さんは笑顔で俺の部屋を後にする。
……ようやく1人になれたので、のんびり酒を飲む事にした。
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