湊 凛香編 1章
第12話
彼女は頭を振って、いつものように朝の準備を始めた。
キッチンに向かうと、何かが足元をすり抜ける感触があった。
驚いて下を見ると、
「おはよう、
「んー、おはよう、
「今日も一日、がんばるぞ〜」
朝食を終えると、
いつもと同じ制服を着て、いつもと同じ道を歩く。
しかし、今日は少しだけ違う。
彼女の後ろを、
「学校には来なくてもいいんじゃない?」
「いやいや、ミーはお前を守るためにいるのだよ。それに、学校って面白そうじゃないか!!」
「まぁ、いいけど。でも、目立たないようにね」
「安心せい!!狐の姿はヒトには
学校に到着すると、
授業が始まると、
しかし、授業が進むにつれて、
昼休みになると、
「これ、美味しそう!!」
「食べる?」
「ありがとう!!」
午後の授業が終わり、放課後になると、
途中で、ふと
「そういえば、
「
家に帰ると、
「おかえり、
「普通かな。でも、
「それは良かった」
「これからも、ワシ等は
「そういえば
その姿を見た
「...無理して言わないでもいいか...」
「あのね、居ないの...お父さんは交通事故で幼い頃に居なくなって、お母さんは...倒れたまま目を覚まさなくなっちゃった...死んじゃったの。」
「その...
「いいの、今はあなた達が居るから、寂しくなんてない...思い出したの、何であの時神社に行ったのか...お母さんの病気を治してもらいたかったのよ...でも、駄目だった...」
部屋の中に重い沈黙が漂ったが、やがて白玉が口を開いた。
「
「ありがとう、
「ところで、
「お前には特別な力があることを知っているか?」
「特別な力?」
「そうだ。わし等の封印を解く程のチカラじゃ」
「でも、私は普通の高校生だよ。特別な力なんて感じたことない」
「それは
「それもそのはず、その力は、まだ開花したばかり。そして、それはただの始まりに過ぎない」
「始まり…?」私はその言葉に興味を引かれた。
「でも、私が持ってる力って、具体的には何なの?」
「それはまだ完全には明らかになっていない。だが、
「具体的にはどうすればいいの?」
私は好奇心を抑えきれずに尋ねた。
「まずは自分の内面と向き合うことじゃ、瞑想や修行を通じて、自分の心と体の調和を保つことが大事であろう。そうすることで、内なる力を引き出すことができる...」
「わかった、やってみる」
「どうすればいいか教えて」
「まずは簡単な瞑想から始めよう...心を静かにし、呼吸を整え、自分の内面に意識を集中させるんじゃ。」
周囲の音が徐々に遠ざかり、自分の内側に意識が集中していく。
「いいよ、その調子!!」
彼女は何かが変わったような気がしたが、それが何なのかはまだはっきりとはわからなかった。
「これからも毎日、少しずつ修行を続けよう。お前の力を完全に引き出すには時間がかかるが、焦らずに進めば必ず成果が出る」
「うん、頑張るよ!!」
次の日から、
ある日、
その方向に目を向けると、小さな子供が一人で泣いているのを見つけた。
「どうしたの?迷子になったの?」
「お母さんとはぐれちゃったの…」
子供は涙を拭いながら言った。
「大丈夫、私が一緒に探してあげる」
その瞬間、彼女の内なる力が自然と引き出され、周囲の霊的な存在が彼女に力を貸してくれるように感じた。
やがて、彼女は公園の端にいる子供の母親を見つけた。
母親は心配そうに周りを見渡していたが、子供の姿を見つけると、ほっとした表情で駆け寄ってきた。
「お母さん!!」子供は嬉しそうに叫び、母親の元に駆け寄った。
「ありがとう、本当にありがとう」
母親は涙を浮かべながら
「いいえ、大したことじゃありません」
その日の夜、凛香《りんか
》は
「それだ、
「そうか…」
「私の力って、こんな風に使えるんだ」
「その通りだ」
「お前の力は、他人を助けるためのものじゃ。これからもその力を磨き、たくさんの人々を助けていくんじゃ」
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