第9話
学校の夜の雰囲気は相変わらず不気味だったが、僕たちは少しずつ不思議な体験に慣れてきていた。
「次はどっちにする?」
「美術室の動く絵画かな。そこもなかなか面白そうだよ!!」
僕たちは理科室を後にし、次の七不思議、『美術室の動く絵画』に挑むため、美術室へ向かった。
夜の学校はますます不気味さを増し、僕たちの足音だけが廊下に響いていた。
「ここだね、美術室」そう言って美術室の扉を開けた。
部屋の中には数々の絵画が飾られており、彫刻や画材が
夜の薄暗い光の中で、それらが不気味に見えた。
「動く絵画って言ってたけど、どれが動くんだろう?」|
「確か、この部屋の中央に飾られている大きな絵画が動くって話だったはず...」
僕たちはその絵画の前に立ち、じっと見つめた。
絵画には森の中の風景が描かれており、月明かりが木々を照らしていた。
「何も動いてないみたいだな」と僕が
「見ろ、動いてる!!」と
僕たちは息を
木々の揺れは次第に強くなり、まるで風が吹き抜けるかのようだった。
そして、絵の中の月明かりが
「本当に動いてるんだ…」と僕が
その時、絵画の中から低い
それはまるで誰かが絵の中から僕たちに話しかけているようだった。
「…こっちに来て…一緒に…」
「
「ああ、確かに聞こえる。でも、どういうことだ?」
突然、絵画の中の風景が歪み始め、木々が激しく揺れた。
月明かりが消え、闇が広がる中、僕たちは恐怖に襲われた。
「これ、まずいかも…」と僕が言った瞬間、絵画の中から黒い影が飛び出してきた。
それはまるで絵の中の住人が現実世界に現れたかのようだった。
黒い影はまるで生き物のように、部屋の中を飛び回り始めた。
僕たちは驚きと恐怖で一歩も動けずにいたが、
「ここから早く出よう!!」
僕は
しかし、扉に手を掛けた瞬間、黒い影が僕たちの前に立ち
その姿は徐々に人型を帯び、やがて長い髪と鋭い目を持つ女性の形になった。
「逃げられないわ…」
その声は冷たく、僕たちの心臓を締め付けるようだった。
「あなたたちはこの世界に来てしまったのだから…」
僕たちは互いに顔を見合わせ、どうするべきかを考えた。
しかし、
「僕たちはここに来たのは偶然だ!!あなたたちに害を与えるつもりはない、だから解放してくれ!!」
女性の影は
「それはあなたたちの意思とは関係ないの。この世界のルールなのよ。ここに足を
その瞬間、美術室の周囲が一変し、僕たちの足元に緑の草が広がり始めた。
まるで絵の中の森が現実世界に広がっていくようだった。
僕たちは必死に扉を開けようとしたが、扉はびくともしない。
周囲の風景が完全に森に変わる中、僕たちの体は次第に力を失っていった。
「ここまでなのか…?」
僕は
「何か方法があるはずだ!!」
と叫んだ。
その時、僕たちの背後から明るい光が差し込み、誰かの声が聞こえた。
「大丈夫、助けに来たよ!!」
振り返ると、そこには霊媒師の格好をした女が立っていた。それは隣のクラスの
彼女は強い光を放ち、黒い影を
「急いで!!この光があるうちに扉を開けるの!!」
僕たちは全力で扉を押し開け、ついに美術室の外に飛び出した。
後ろを振り返ると、
彼女の声はしっかりと響き、まるで結界を張っているかのようだった。
どうやら終わったらしい。
「あなた達、こんな時間に何してんのよ!!」
「ぼ、僕たちは...忘れ物を取りに...」
「嘘ね!!どうせ七不思議をどうこうする的なやつでしょ〜」
図星である…
「それより、助けてくれてありがとうございます!!」
「良いのよ!!私も集中したかったところだったし、あなた達が
「五月蝿い...集中?何をしてたんです?」
こんな時間の学校で何をやってたのかとても気になるところである。
「修行よ!!立派な
「あぁ、まだあと一つ残ってます。確か...『夜闇に聞こえてくる
正直これが
「...それ私」
「は?」
二人は口を合わせて驚いた。
「だから、私だって!!恥ずかしい...私が修行している時いっつも
しかし、事態を飲み込むと、なんとも言えない
「そうだったんですね…」
「七不思議の一つが
未来も少し照れたように
「恥ずかしいけど、そうなの。だから、もう心配いらないわ。」
僕たちはようやくほっと息をついた。
しかし、まだ一つ気になることがあった。
「でも、
未来は少し考え込んだ後、答えた。
「私の家系は代々霊媒師で、この学校の管理人さんが私の修行を応援してくれてるの。だから、特別に夜間も入れるようにしてもらってるのよ。」
それを聞いて、
「それにしても、七不思議が本当に解決してよかったな。」
「これで僕たちも安心して家に帰れる。でも、
「いいのよ。でも、次からは気をつけなさい。夜の学校はやっぱり危険だからね。」
僕たちは深く
夜風が心地よく感じられ、これまでの緊張が解けていくのを感じた。
「さて、帰るぞ。」
「うん、家に帰ってゆっくり休みたい。」
僕たちは並んで歩きながら、
この経験は、きっと一生忘れられない思い出になるだろう...
「上手く
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