松風 翔太編 1章
第5話
次に目を覚ますと、自分が見知らぬ森の中にいることに気づいた。
太陽は空高く輝いているのに、森の中は薄暗く、どこか不気味な雰囲気が漂っていた。
歩き始めると、足元に落ち葉がカサカサと音を立て、背後から風が冷たく吹きつけてくる。
「ここはどこだ?」
すると、水面から1匹の
それは
「お前は誰だ?」
「私はこの夢の世界を支配している者だ」
と獅子は答えた。
「お前はどうやら私の作った
「この夢の世界から抜け出したい。どうすればいい?」
「それならば、ある試練を乗り越えねばならない。その試練は、この森の奥にある神社に行き、そこで三つの問いに答えることだ」
妖狐に《ようこ》導かれながら、彼は森の奥深くへと進んだ。
道中、
やがて、古びた神社が見えてきた。神社の前に立つと、突然、
「ここに
「真実とは、人が心の中で信じるものである」と答えた。
「次に、恐れとは何か?」
「恐れとは、未知のものへの不安だ。だが、それを克服することで成長できる。」
再びあやかしは満足げに
「最後に、自由とは何か?」
その瞬間、神社の周りの景色が変わり始めた。
光が溢れ、森は消え、
夢の中での出来事が現実のように鮮明に残っていたが、上手くは話せない。
もしかしたら、最初から夢だったのではないかとも思えてきた。
そう考えていた時だった。
「
「
「何言ってんだい!!学校で急に倒れたって聞いてそこから3日間そのままだったんだよ!!」
確かに3日間寝てたって考えると相当だ...
考え過ぎて
3日間も眠り続けていたなんて信じられなかった。
母の言葉が現実感を増していく一方で、夢と現実の境目がますます
「3日間...そんなに?どうして?」
母は心配そうな表情で
「先生たちも原因が分からないって言ってたんだけど、疲労とストレスが重なったんじゃないかって。最近、学校の勉強や部活で無理してたんでしょ?」
「確かに、部活の試合が近かったから、練習も勉強も無理してたかもしれない。」でも、夢の中のことがあまりにもリアルで恐ろしく感じた。
母は優しく
「大丈夫よ、
しかし、夢の中での出来事が頭から離れなかった。
あの夢が一体何を意味しているのか、そして現実とどう結びついているのかを知りたいという思いが強くなっていった。
その夜、ベッドに横たわる
そして、彼は再び夢の中にいた。
夢の中では、
彼女はにっこりと
「また会えたね、
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