エピローグ
AM 10:00 中島公園近隣の橋
戦いが終わり、そのまま寝ずに後始末を行う。生き残っていた魔術師達は捕縛され、その処遇については本土で行うそうだ。
「ごめんなさいね。祝勝会をしたいところだけど、あれの処遇で戻らないといけなくて」
「そう、それなら仕方ないね。この祝勝会は、いずれやろう」
セシリアはロンドンに帰る。どうやら、執行者全体で関与した魔術師全員の処遇を執り行うそうだ。
リリィもまた、今回の件での書類を纏めないといけなく、セシリアと共に帰るそうだ。もちろん、美羽と共に。
「ごめんなさい。私もここで書類のまとめをしたいんですが、数が膨大で」
「仕方ないよ。ここじゃそういうの限られているしね」
美羽は、リリィを引っ張りながら事務所を去る。車に乗せられるリリィの叫びと共に、新千歳空港に向かっていった。
なんだかんだ落ち着いてきた事務所をラスティアに任せ、私は近くの橋に向かった。
橋に着くと、そこには白い髪をした魔術師が、黒いスーツを着崩して待っていた。
「遅かったわね」
「色々とな。ずっと待ってたの?」
「まぁそうね。いい加減、あんたに礼を言わないと、『あいつ』に悪いし」
私は煙草を加え、ZIPPOで火をつける。美生もまた煙草を加えたので、私はZIPPOで美生の煙草に火をつける。
「ありがとね。あんたには感謝しきれないわ」
「別に、私はこの街で勝手をされることが嫌だっただけさ」
「あんたにとってはそうでしょうね。でも、私個人の因縁が晴れたわ。だけど、1人でどうすることもできなかっただけよ」
「あれだけの数じゃ、私1人でも敵わんよ。みんなのおかげさ」
私と美生は、一服を進める。そして、美生は先に煙草を吸い終える。
「んじゃ、私は帰るわ。もう用はないし」
美生は、吸い切った煙草を携帯灰皿にしまい、どこかに向かう。セシリア達とは別に便で、ロンドンに帰るそうだ。
「あぁ。それと、セシリア達に謝っておいてね。みんな、君のこと心配していたよ」
私はそういうと、美生は後ろ向きで手を振り、去って行った。
私も煙草を吸い終え、事務所に戻る。こうして、騒々しい3日間は、静かに幕を閉じたのだった。
――――――――――――――
3日後 ロンドン セシリアの自宅
今回の件での始末書を書き終え、ようやく自宅に帰る。アリスは先に夕飯の支度をするといい、帰っているので、私は酒を買ってから帰る。
色々と酒を買い自宅に着くと、アリスともう1人家にいた。
「お帰りなさい、セシリアさん。先に食事をしてました」
「美生!! 帰ってきたのね」
「はい。ごめんなさい、無断で出ていって」
「いえ、そんなことはないわ。そうよね? アリス」
「美生ちゃんが無事なら、私はそれでいいです。さて、冷めないうちに食べましょう」
美生と再会を喜び合い、私はアリスと美生が用意した食事を食べる。もちろん、ビールと一緒に。
美生とアリスもビールを注ぎ、3人で乾杯をする。
「今後は、そうしないでね? みんな心配するから」
「はい。『彼女』はもう未練がないそうなので、もうしませんよ」
「でも、こうしてまた3人でご飯を食べれるんだからいいよ」
「まぁ、そうね」
私たちは酒を飲みながら、食事を進める。そして、ビール瓶を数本開けるうちに、疲れからか寝てしまった。
こうして、私達はまた3人での日常が戻っていったのだった。
――――――――――魔女と女王に従う転生者 完
【完結済】魔女と女王に従う転生者 nashlica @nawoc_56
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