第3節 コノートの戦士
3ー1
第3節 コノートの戦士
AM 11:00 探偵事務所 如月
今から1時間前に、セシリアが事務所に来たので、みんなでコーヒーを嗜む。
コーヒーを飲んでいると、ラスティアが菓子を用意してくれた。手作りのケーキと共に、コーヒーを飲む。
「いいコーヒーね。何処の豆なのかしら?」
「キリマンジャロさ。私の一番好きな豆だよ。程よいコクに、酸味がしっかりして美味しいんだ」
「へぇ〜。確かに、酸味もあってしっかりとコクがあるわね。ねぇ、少し譲ってもらえないかしら。
飲んでたら、気に入っちゃったわ」
「今度送るよ。ロンドンの君の家でいい?」
「ありがとう」っと言い終えると、コーヒーを飲む。そして、本題に移ろうと思う。彼女を呼んだのには、ある事を提案しに呼んだのだから。
「それで? 今日はどういう要件かしら? まさかとは思うけど、厄介なことでも押し付ける気?」
「そうかもそれないね。でも、どちらかというと『協力』かな? どうも、面倒事が起きそうでね」
「なるほど、それに協力して欲しいわけね」
セシリアは、興味本位に私の話を聞く。
「近いうちに、『コノートの戦士』が攻撃を仕掛ける。多くの咎人と
どうやら、挟み撃ちで私たちを攻撃するだろう。そこで、セシリア達も協力してほしい。どうやら、私たちが束で戦わないと、この街は終わるらしい」
「つまり、大軍をよこして欲しいという事ね。私も、あなたとその話をしたかったのよ」
「奇遇だね。何かあったの?」
セシリアは、タブレットを鞄から取り出す。すると、動画のファイルを開き、ある映像を私に見せる。
「これは?」
「まぁ、見ていなさい。面白い者が見れると思うわ」
セシリアは、動画を再生する。再生されると、早速、誰かの絶叫が聞こえた。
そして、拷問器具を持った、セシリアが座っている人物に向けて、尋問をする。
『さて、話を聞かせてもらいましょうか? あなたを
『や、やめて下さい。ぼ、僕は知らないんだ』
『言い逃れはできないわよ。それとも、また指をへし折られたいの? まぁ、あなたの
セシリアは、容赦なく椅子に座っている人物を尋問する。その尋問を受けている人物は、どうやら転移者らしい。
『ま、魔術師なら、魔術を使って尋問しろよ!!』
『魔術? あなたみたいなガキに、魔術なんて勿体無いわ。だから、これで十分なの。あなたみたいな、自分の事を救世主と思い込んでいるガキにはね』
セシリアは、電圧のかかった鉄の棒で、転移者の少年を問い詰める。
その時に、少年の絶叫が響き渡り、タブレットの音量を少し下げた。
『それで? あなたを呼んだのは誰?』
『じょ……『女王』です。女王が、僕をこの世界によ、呼びました……』
『『女王』ねぇ。その『女王』の名前は誰? どうやって、その力を得たの?』
『し、知らないんだ。ほ、本当なんだ!! 早く解いてくれよ!! 聞きたかったことは聞いたでしょう!?』
セシリアは、彼の叫びを無視して鉄の棒を、再び彼に当てる。
『あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!』
『シラばくれるに大概になさい。次は、目を抉るわよ? それとも、脳みそをいじりましょうか? それなら、本当のことを聞かせてくれるんでしょう?
そのおめでたい脳みそに、手を加えると』
『い、いいます!! いうから、頭だけは!!』
映像を見ながら、私は相変わらずドン引きする。執行者の尋問は、いつもこう苛烈なのだ。
映像のセシリアは、注射器を彼にちらつかせる。
『えぇ、頭はやめてあげる。私も、そこまで鬼じゃないわ。でも、あなたを吐かせるなんて、いくらでも出来るわよ』
『な、何を!? や、やめて!! それを注射しないで!!』
『どうかしら? あなたがちゃんと、言えばこれは打たないわ。それどう? 言うの? 言わない?』
彼は絶望した顔をしたまま、セシリアに向ける。あまりにもの恐怖により、彼は失禁をしてしまったみたいだ。
溜息をしたまま、セシリアは彼を解放する。すると、部下に後を任せて、別室にいたリリィと話し始めた。
だが、動画はここで終わり、彼女達との話が聞けれなかった。
「相変わらず、容赦がないね。それで、何かいいネタはあったの?」
「こいつはダメだったわ。でも、他のやつから、あなたの言ってた事を自白できたわ。
今、
「私としては、全然ウェルカムだけどね。まぁ、彼女は来れないでしょう」
私は、煙草を口に加え、火をつける。窓を開けて、煙を吐く。セシリアも私のデスクに来ては、同じく煙草を吸い始める。
「それで? どうするの?」
「そのうち、美羽が来るはずだ。その時に、作戦会議でもしようか」
「いいわね。敵は大群、少数精鋭じゃ、ギリギリな上、あっちは咎人までいるんだから。
どっちかは対応できるけど、どっちもは無理ね。流石の私も、骨が折れるわ」
「リリィがいれば、その大群は任せられる。でも、望み薄なのが、たまに傷だな」
お互い一服していると、客が来たみたいだ。
「何勝手に、僕がいない想定の話を知るんだい? 寂しいじゃないか?」
「リ、リリィ!? まさか、マジで来るとは」
「ごめんなさい、キサラギさん。リリィったら、止めても聞かなくて」
申し訳なさそうにしている美羽と、ノリノリでやってきたリリィが、事務所に来たようだ。
どうやら、議長の権限を行使したのだろう。
「それで、ちゃんと、僕の
「
「いいね。僕が適任じゃないか。みんな行くまでもないって言うけど、実態は深刻だってね」
「深刻も深刻さ。君が来てくれた事で、少しは楽になれそうだ」
私は、灰皿に煙草を起き、コーヒーを飲む。リリィは、ラスティアの用意したケーキを味わいながら、くつろぐ。
それ見ながら私は、作戦をどうするのか、考えるのだった。
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