刹那を投影して
雨宮ことひ
刹那を投影して
短いスカート ひらりと自転車の風がペパーミントに濡れてる
三つ編みにやさしい魔法を込めたからフラッシュバックをよしよしできる
踏切にはいるくらいの速度から逃げられなくて手を掴んだの
やわらかいきみの髪の毛 わたしだけ知ってたいのにゴムが先客
たくさんのスローモーション抱えてて青春がまだそこにある みたい
涼しさの匂いに少したじろいでリボンをきゅっと締めてみました
好きだよが貴女だけだに変わっても愛せたならば大人だったね
傷のこと撫でてください ほがらかに紫陽花のこと描いてください
触れるとき優しくなれる 別人になれる 朝顔咲いてきたのね
擦れていて痛い足首 しろ しろ しろって白い暴動の連続
悲しみがありあまってて僕なんかマシュマロすらも食べられないよ
お薬をまじめに飲んですこしずつ大丈夫とかなりたいなって
シャーペンに細い恋の子 記述ならたくさん聞けて嬉しいテスト
僕あした学校来れない 海のほう、行くの しばらく死んでみるの
メルヘンが僕の恋人 ポッケには文庫本 ねえもうちょっといて
ぽろぽろとピアノの音が溢れてて校舎がぜんぶリンスされてる
関数に入れるだけならいいのにな 貴女も関数?じゃないといいな
雨の日の湿度は赤い 心臓が破けるくらいキスがしたいの
日光で縄跳びをしてレモン味スカッシュ的な汗をかこうよ
お天気はいかが 明日にはつるつると絵から飛び出すための放送
刹那を投影して 雨宮ことひ @cotofi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
【掌編集】おかしな話最新/卯月
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます