第4話 槵觸神社

鳥居⛩の近くに 立札が あり 読むと、この 「くしふる神社」は ニニギノミコトを まつり 山御神体で 1694年 元禄7年 社殿が建立されと、書かれてあった。


高千穂宮縁由の聖地が くしふる峰とも 書いてあった。


私は見上げる大きな鳥居をくぐり 参道を歩き始めた。鳥居をくぐると 空気が、変わった気がした。静かで 通りの音は 一切聞こえない。


神秘さが体の中を通り抜けて行くようだった。神々の衣装を纏い 自分が歩いているかの様な その時代に、舞い込んだ 錯覚さえ感じた。参道を歩いていると 左に 小さな道があり、民家が見えた。


参道を通り抜けると神社への階段が、あった。右には 土俵があり 相撲を奉納するようだ。


その階段を、一歩づつ上がる。空気が、だんだん冷んやりしてきた気がした。人の声がする。観光客?宮司さんは、いないと案内には、確か書いてあった。段々声が近くなる 男性2人の声だ。階段を上りきった時 私は それが誰かが わかった。


正面には神殿が鎮座してあった。上を見ると、竜の木彫りで 両脇に獅子 両側面に 象。


右をみると 宮本巡査長と 腰に鎌をさし作業服をきた年の頃は70ぐらい 日に焼けて黒いのか 焼酎焼けなのか おじさんが立っていた。


宮本巡査長は しきりにメモを取っているようだった。

「宮本さん」今度は 私から声をかけた。もう顔は 忘れません 三時間以上 見てた顔ですから 性格には2時間弱かー 電車では、涎たらして寝てたから


宮本巡査長は 私を見るなり 手を上げて 又話をおじさんに 聞いていた。おじさんは 鎌を腰から 抜いて なんだか あっちの方だと言いながら、左の方に鎌で指している。


危な!それって指で いいんじゃないの?と思いながら、私は2人に近づいた 


おじさんが言うには この神社の一通りの説明 左の方向に 集落がある。

(あ!さっき左に 小さな道があった その道を下った あたりなのかな と思った。)詳しく知ってる人がいるから その人に聞いてくれと言う話しだった。


宮本巡査長は 私に、何故ここに?などと 野暮な事は 聞かず 

「一緒に 行きますか!」と歩き始め私も コクリとうなずき

「今のおじさんは 誰だったんですか?」と尋ねた。


「この神社の氏子ですよ 昨日の警官いたでしょ あの人に 頼んで 氏子さんとここで 会う約束してたんですよ 君も来るとは びっくりだったけど まー丁度いいかな」何が丁度いいのか わからないまま 歩きながら


「あの短刀が 気になってる?」と宮本巡査長は聞いた 私は そりゃーそーでしょう と 思いながら え!?いきなりタメ口?とも 思った。


今の氏子に写真を見せて これに 見覚えが あるか 尋ねた所 よく知ってる人が 左下の集落に いる。との事だった。


私達は 参道の小さな脇道から下り始めた 立て札があり、そこには「この先天真名井」と書かれていた。


宮本巡査長は、あの短刀の写真を 私に見せた。 あの「槵觸嶺」が 持ち手の部分に しっかり掘ってあり 刃の部分は15㎝ぐらいある。よく切れそうだ。ワクワクが 怖くなった。


 途中脇道の石畳が 階段に なり 右横には 防空壕だったのか、人が数人入れそうな穴が数個ある。その中を除く勇気は 私には なかった。


天気は 良好なのに ここは ずっと日陰だ。その先を歩くと 小さな橋が 見えた。


橋の右向こうには「天真名井」と書かれた 立札があり大きな樹木ある。橋を渡り 立札を見ると、大木はケアキで樹齢1300年とある。


水が湧き出ている名井は「瓊瓊杵尊が御降臨のさい この地に 水がなく水の種を、移された御神水」と書かれていた。周りには集落がある。古びた民家がならんでいる。二軒目に さしかかっとき おじさんが 家に隣接してる畑で作業をしていた。


「せいが でますなー 今頃の時期は なんの野菜が とれますか?」 と宮本巡査長は そのおじさんに 尋ねた。


おじさんは 誰?と振り向いたが その時宮本巡査長が

「大倉 助治さんって方 ご存知ですか?」と聞くと おじさんは 目を丸くして 

「そりゃーわしじゃが なんかようですか?」と返した。

宮本「あー ここら辺のこたー スケちゃんに 聞いてくんない と 信さん(氏子)から 聞いて スケさんは ここらじゃー皆んなの相談役で なんでんしっちょるかい スケちゃんは いい男よ と言っとりました」 


そのスケちゃんは 満更でもない顔をして ほころんでいた そこぞとばかり 宮本巡査長は 警察手帳を出し

「私東京から来ました。」と手帳を見せた。スケちゃんは タオルで 汗をぬぐいながら その タオルで少なくなってしまった髪を 整える様に なぜた。


「そりゃーご苦労さんで 偉い 遠くから 来たっちゃねー でワシに なんが聞きたいね?」 宮本巡査長は さっきの写真を出した スケさんは 写真を食い入るように見た。


「あーこりゃー祭りん時に 氏子に配ったもんや もう かれこれ25年位前かなー」


「高千穂神社は春の例祭 ここん、くしふる神社は秋の例祭とされ そん秋の大例祭時んに 配られたもんじゃ 間違いない そん時には 相撲も奉納される」 


私は あ!さっきの土俵だ!と思った おじさんは 続けた。

「内にも 確か そん刀が あったなー マッチョって 持ってくっかい」 と スケちゃんは 家の横の蔵みたいな所に 入っていった。


十分位して さやに入って 刃が剥き出しに なっていない短刀を手にしたスケちゃんが、あった あった と出て来たら、宮本巡査長は

「これですね なるほど 同じ物だ クルフシ峯 槵觸峯」宮本巡査長は 考え込んでいた。


「手作りですか?私は こういう物騒な物は よくわからないのですが」と 私が尋ねると

「おねーちゃん これは 鍛冶屋の仕事よ トンカチ トンカチやって こしらえる奴さね 特に神さんに 奉納するのは 丹精込めて こしらえる」うなずきながらスケちゃんは答えた。


宮本「スケさん その鍛冶屋さんに 行きたいのですが 教えてもらえんですか?」 と言うと 

「あー今は もうやっちょらんよ 健さんは もう死んだ もう7年に なるかなー 無口じゃったが いい男じゃった働きもんでな」


ここらは いい男が 多いらしい と私は 思った 宮本巡査長は 残念そうに してると スケちゃんが

「家は まだ あるよ 空き家に なっとるけんどん だーれも 行かん様にある 家ん中は わっさしとるはずよ 行くなら ワシが 連れてくよ こん道まっすぐ行った 奥から2番目の家やから」


宮本巡査長は

「あ!大丈夫です 奥から2番目の家ですね 私達で わかります」今度は スケちゃんが残念そうに

「そーねー そんなら 気をつけて 蛇やらも おるかい」 


そ それは こわいじゃん ジャングルかも しれないじゃん 是非現地ガイドをスケさんに、して欲しかったのに 何故宮本さん 断ったの〜。


私達は 又歩き始めた 私達?私達は どういう? 整理してみた警察官と事件の第一発見者で 横に並んで歩くと 背高いだー。スーツは よれてるけど意外と似合ってる。など考えていたら 宮本巡査長が

「どう思う?凶器になった短剣は この集落で 作られた で 東京の事件で使われていた 犯人は 氏子の中に いるのか?もしくは 被害者が ここ出身か?」


私の考え言っていいんすっか?本当にいいますよ いいんですね宮本巡査長殿


「私は その20年前も 何かしら 関係する気がする だって わざわざ その短刀でさしたのは 何か理由があるはずだもの 

スケちゃんさんだって その短刀 蔵に入れてて探すのに 10分近くかかったでしょう それを 持ち歩いてるのも 変だわ」そして 健さんの家らしき所についた。

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