第2話「槵觸」って 何て読む?

結局 私は 警察署まで 連れて行かれ 根掘り葉掘り聞かれ 開放されたのは、昼前だった。 


会社に 着くなり 会社の皆んなが、私の顔を一斉に見た。あー又 1から説明せなあかんのかーい。お腹すいた、と思いながら 社長室のドアをノックした。


家に着いたのは、夜の9時だった。早く帰りたかったのに 会社の同僚から、夕飯食べいこうと 誘われて、そう 朝の事件の事が 聞きたくて仕方なかったのだ。


皆んな興味津々で 質問責めだった。私は 今日の出来事を、何度繰り返し説明したか わからないくらい話した。


きっと 今日の朝食は、目玉焼きとクロワッサンは 皆んなが 知ってしまった。きっと明日の朝も このメニューって事だけは付け加えなかった。


湯船に 浸かりながら もう一度 あの 短刀の文字の事を 思い出していた。


た、し、かー「槵觸」こんな 漢字だったよねー なんて 読むんだろう? カン? カン? 濁る? ちゃうなー カン〜ん わからん。


お風呂から 上がり ネットで調べた 「槵觸神社 高千穂観光スポット」と 直ぐ出た。「く、し、ふ、る」と 読むらしい  やー実家に めっちゃ近いじゃん。私は なんだか ワクワクしてきてしまい、「くしふる神社」を検索⛩した。


なんでも 「くしふる」の峰に天孫降臨の地とされ、1694年に社殿を建立された と紹介されてある。


天岩戸の様に 観光客が 多い訳では ないらしい。ネットに 紹介されている写真では、神聖さが ただよっていた。行ってみたーい。


小学生の頃 車で1時間程度のちょっとした観光地だったので、よく天岩戸やら 高千穂峡には、親が連れて行ってくれた思い出がある。でも小学生の私には、余り興味がなく 神社など 論外だった。


もう2年帰省してなかったなー。昨日までは今年は 帰ろうかな〜なんて軽い気持ちでいたのに、今年は 延岡に帰るぞ!と気合いが入っていた。


携帯に手が伸び すぐさま実家に、電話していた。

「もしもーし あ!にいちゃん 春さんは(母の事である) 春さん 5月の連休帰るからねー 待っててねー。わかってる ちゃんと食べてるから 元気だってば わかってる わかってる 変な男には ひっかかりません 嫌ー違うから 1人でかえるの!」


母は いつも電話をかけると 食べてるかー?元気か?男には気を付けろ の繰り返し よっぽど 自分の娘が信用できない様だ。


さってと 帰ると決まれば 明日でも 飛行機予約しょっと。私は、ベッドに潜り込み眠りについた。

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