エイリアンズへの招待状
第8話 ステップ・バイ・ステップ 1
ゲームはプレイするだけでなく、見る事も一つの楽しみである。
配信者と言うのはゲームや雑談、工作や料理など様々なコンテンツを多くの人々に魅せる者達の事をいう。
『エイリアンズ』は配信者が多く集まるクランだった。
メンバーで最も有名な人物はRickerという韓国人男性配信者だ。
もと『ベータ・リンクス』のプロゲーマーであり、日本語ペラペラであるため韓国と日本のBLファンから人気を獲得している。
またエイリアンズは個人、または団体でストリーマー同志の大会に参加もする。そのたびに好順位を維持しているため、他の配信者のファン達からも「あ、見たことある」程度には認知されていた。
そして次回行われるクラン・企業団体対抗アマチュア大会に参加する予定である。
前回大会では同時視聴者数が二万人と、注目の大会となっている。
『オー、この子が新しいメンバー? ヨロシクね!』
そして通話アプリのグループ内では、エイリアンズの配信者リッカーと進が生電話をしているところだった。
「アカリさーん!?」
いつものようにBLを起動していたところだった。
メッセージ機能でフレンドになったばかりの暴言サポーターアカリから『お疲れ様です。先日ランクで一緒になったアカリです。今ちょうど友人と遊んでいるところでして、もしお時間あればグループ通話しながら一緒に遊びませんか?』という文面が飛んできたのだ。
ゲームをするか勉強するかしか予定がない進は「少し遊んでやべぇトキシックだったらフレンド即切ろう。トキシックなクセに文面が丁寧とか頭どうなってるんだよ」という気持ちでその誘いに乗った。
グループ通話アプリの招待URLが送られてきて、それをクリックしたところこうなっている。
リッカーの戦績について進はよく知っていなかったが、配信者としての彼の事はよく知っていた。
「も、もしかしてリッカーさんてあの、韓国人の配信者のリッカーさん!?」
『そうだよー』
「『バーテックス』で千キル配信とかしてるあのリッカーさん!?」
『そうだよー』
「のんびり農業ゲームで何故か疫病が流行ってしまい全滅エンド配信をしたリッカーさん!?」
『そうだよー』
「大ッファンです! なんでこんなところにいるんですか!」
『やったねリッカー。ファンだってよ』
『応援サンキュー!』
アカリとリッカーは親しげに喋っている。
「あの、アカリさんって何か配信とかってされてる方でしたっけ?」
『いや? 俺は本当にたまにしかやらないし、どちらかというとリッカー達の動画企画でたまにいっしょに出るくらい?』
『アカリも配信しようよ、楽しいよ?』
『えー、俺たまに口悪くなるから嫌なんだけど』
(たまに? あの暴言は本当にたまになのか?)
進は疑問をほのかに抱いていた。
(たまにではないよなぁ~タブン)
リッカーも同様に疑問を抱いていた。
さて、とアカリは雑談を切り上げ本題に入ることにした。
「実はウォーカーくんに来てもらったのはね、ぜひうちらのエイリアンズの入団試験を受けてほしいと思ったからです」
ウォーカーこと木原進は叫んで驚いた。
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