第4話 木こりの男 4
はっと、木こりの男は自分が眠っていた事に気がついた。
夜の森は寒く、身に沁みた。
手元に魔法のオノはなかった。
悪い夢だと思い直し家に帰ってオノを捨てることにした。
そう思い木こりの男は家へ帰ってきた。
「妻には誠心誠意謝ろう。仕事はこれからも頑張る事を伝えよう。それで良いじゃないか」
だが家に帰ると妻はいなかった。三人の子供達の姿も見えなかった。
そこには家族がいたという形跡はあったが、それら家族はいなかった。
「あぁ、皆私に呆れて出ていってしまったか。それもそうだ仕方がない」
木こりの男はオノを手に取ると、森の近くの湖まで行き、湖の中央向けて投げ捨てた。
「また一からやり直そう。真面目に木を切り、自然と語り合おう」
森に戻ってオノを手に取ると、木を目掛けて打ち付け始めた。
スコーンスコーンと四度振り、木々をまた切っていく。
「この手に響く木の音が、私を私だと教えてくれる」
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