村をゲットだぜ!



 準備が出来たようなのでヘラとファウストには村のヤツらを連れて早速行ってもらうことにした。早めにやった方がいいしね。


 仮に村のヤツらが反抗してきてもファウストなら多分大丈夫なはずだ。それに今のヘラはちゃんと戦えるし。


 ということで俺は準備が終わった彼らを見送った。俺は俺でやることがあるから二人が戻ってくるまでに終わらせとかないとな。


 ――――――――――――――――――


 ヘラ&ファウストside


「今回はボクについて来てくれてありがとう。ファウストさん」


「いいってことよ。主が頼んできた以上俺が断る理由なんてないしな。」


「それでもだよ。ボクひとりじゃまだあの村に行くのは怖いからさ。」


「だが、村長とやらと話すのはおめぇの役目なんだろ。大丈夫なのか?」


「そこは頑張るよ!」


「ならいいが。」


 そんな会話をしつつヘラとファウストは村人を連れて村へと向かっている。

 ダンジョンから村へは頑張れば半日ほどで着く距離なので今日中に着くはずだ。と言ってもぶっ通しで走る訳にも行かないので一同はしばらく進んだ後少し休むことにした。

 グループは自然と村人たちとヘラ、ファウストに別れている。


 村人のひとりが

「村に戻ったら人が来た時用の商売を考えとかないとかもな。もし村が発展していったら俺らが戦う必要も無いわけだし宿屋とか武器屋とかの支援側に回る方がいいかもしれん。」


 と言うと


「確かにそうだな。幸いにも俺達には多少は武器を作る能力はある。今から勉強したらそこそこのものは作れる気がするな。」


「なら俺は宿屋をやるか。部屋も余ってるしな。」


「ならおらは飯屋だ!」


 と既に村が発展した時のことを考え始めている。

 良くも悪くも上に巻かれるタイプなのだろう。彼らは自分が有利な方につくようだ。


 そうして休憩を終えた一行は村へと向かい始めた。

 そうして数時間がたち無事に村へとたどり着いた彼らは早速村長をヘラとファウストの元に連れてきたのだった。


「なんじゃ貴様らは!おい、お前らなんでゴブリンがいるんだ。早くどうにかしろ!」


 と村長は言い出した。

 しかしヘラは気にせずに、


「落ち着いてください。ボクたちはそちらの人達に攻められたダンジョンのものです。つまりそちらは負けたんです。」


 そう伝えると村長はやばいと思ったのかビビり始めた。しかし村長の威厳を守るためかあくまでも上から目線で。


「ふん。だからなんだ。」


 と言った。


「ただ、我々のダンジョンは特に被害を受けてはいないので貴方達に交渉をしに来たんです。」


 と伝え続けて、


「ボクたちが要求することは、この村を支配下に加えるということです。ただし、この村を仕切る人は変わらず貴方で大丈夫です。

 ただ、この村の近くにおいしいダンジョンがあることを広めて欲しいのと、ダンジョンへと定期的に人を送り込んで欲しいということです。


 そうすれば貴方たちの村も人が多く訪れて賑わいこっちのダンジョンも人が来て成長出来るということです。

 どうでしょう?悪い話じゃないと思いますが。」


 と伝えた。


 すると村長は話を聞いているうちに。特に村が発展すると言ったところから笑顔になり始めた。


「なんだそれならそうと最初から言ってくれればいいものを。もちろんワシはその提案を受け入れるつもりじゃ。」


 と言った。そしてその他の村人たちも帰ってきたものたちからどんなふうになるのか聞いていたようで特に不満も出ることは無かったようだ。強いて言うならダンジョンからの支配という点で怖いという人もいたようだが、村長が何かを伝えると黙った。


 ということでヘラの役目はここで終わりだ。

 なのでヘラとファウストは


「また詳しいことが決まったらこちらへ来るつもりなので覚えておいてくださいね。それでは」


 と言うと村長が思い出したかのように


「そうじゃ。あいつはどうなった?ダイの父親は。」


 と聞いてきた。ヘラは、

 

「あぁ、あれはこちらへ帰ってくることは無いですから。その名前をボクの前で出さないでくださいね!」


 と答えた後に今度こそ2人で森の中へと向かっていった。


 ――――――――――――――――――――


「ふむ。結果オーライじゃな。ワシは引き続きこの村で過ごせるし、人も沢山訪れるだろうからこんな村もすぐに大きくなるじゃろ。お前たちよくやったな。あやつ1人だけの犠牲でこんだけの利があったのは良かったことじゃ。」


 ――――――――――――――――――――



 2人は無事に交渉できたかな?

 帰ってくる前に早くこいつを縛り付けないとな。

 あの二人が上手く交渉できるだろうとは思っているが、村人全員が納得するとは思えないしこっそりダンジョンに来るやつが出てくるかもしれない。

 だからこそ傷つけても良心が痛まないこいつを使って見せしめのように置いとけば抑止力になる……はずだ。

 勿論私怨もはいっているけど。


 ――よし!出来た!あとはあの二人が帰ってきたらファウストにこれを入口の近くに刺しといてって伝えてOKだ。


 にしてもこいつも馬鹿だよな。あの二人が行った後に少し会話したけどヘラに対して申し訳ないという気持ちが欠けらも無いんだもんな。

 俺がヘラのことを聞くと


「あのクズが犠牲になればダイは助かった」


 とか言い出すしもう可哀想だと思う気もなくなったね。






 お!あの二人が帰ってきた!


「おかえり」


「無事に交渉はできたよ!」


「お!良かった良かった。ナイスだヘラ!」


「また詳しいことは後日伝えるって言っといたんだけどそれで良かった?」


「勿論それで大丈夫だよ。」


「あ、ファウスト。奥にある棒を外に刺しといて欲しいんだ」


「任せろ!」


「よし、じゃあ少し休んだら飯にするか。」


「うん。」


 無事にヘラたちは交渉を成功させてきたようだ。

詳しいことはヘラが言ったように後日伝えるわけだから早めに考えないとだな。

 まぁ今はひとつの大きなことが終わった事だし畑で取れたものを食べてゆっくりとしますか!


 ――――――――――――――――――――


 あと1話で一旦完結予定です。


 忙しくて修正できなかったので投稿出来ませんでした。


 良ければ星1でも構わないので評価をしてくれると大変嬉しいです。

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