新たな仲間と可能性!


あの後俺はDPを2000使ってゴブリンリーダーという特殊個体を買うことにした。

 なんでも各種族で一体だけしか買うことが出来ずその他では配下の種族が進化することでしかなれないらしい。


 この個体たちの特徴としてまずその名の通りその種族のリーダー的な立ち位置になる。そして、ここからが重要なのだがなんとこの個体たちは俺とその眷属に限り会話が可能なのだ。


 おそらくダンジョンという特殊的な環境なためダンジョンマスターとの意思疎通が取れることによって色々なことを行えるようにするためだろう。


 そして先程知ったことなのだがこのダンジョンは俺以外なら眷属であろうと外には出れるらしい。


 そこで俺は考えた。ゴブリンたちを外の森から連れてこられるのでは?と。


 人がダンジョンに入れるなら魔物であろうと入れるだろうし、試さずに分からないままでいるよりも試してみた方が今後にも役立つだろうと思ったわけだ。


 ヘラから聞いた話によると、俺たちがいるここら辺は辺境ということもあり様々な種類の魔物がいるらしい。

 だからこそここで試して成功するのならば今後もだいぶ戦略が増えるだろうからやって損なしというわけだ。



 ということで早速ゴブリンリーダーを買った。


「……あんたが俺の主ってわけかい?」


 買った瞬間目の前に現れたゴブリンリーダーは開口一番にそう言った。見た目は明らかに普通のゴブリンよりもガタイがいい。確かにゴブリンのリーダーという感じだ。


「ああ。一応そうなるな。俺の名前はカイト。そして今はいないけどヘラっていう眷属が一人いる。」


「……なるほどな。つまりあんたはまだ新米というわけか。それなのに俺を買うたぁなかなか運がいいじゃねぇか。俺はそういう奴は好きだぜ。」


 おそらく他の人が聞いたらグギャグギャとしか聞こえないのだろうが俺は普通に人間と喋っているように会話ができる。


「そう言って貰えるとありがたいな。嫌われるよりも好かれてた方がいいからね。」


「違ぇねぇな。……んで?わざわざこんな時期に俺を買ったということはなにか目的があるんだろ。」


「そうなんだよ。……今いる俺の配下のゴブリンたちと一緒に付近のゴブリンを仲間にしてきて欲しいんだ。

 出来るかは分からないからダメそうだったらすぐに帰ってきてくれて構わないから。」


「なるほどな。……一応俺はゴブリンリーダーという特別な存在だからある程度ダンジョンについてはインプットされた状態で生まれるんだがそれにしてもお前の考えは面白いぜ。……もちろんやってやらぁ。」


「ありがたい。…………そうだ。せっかくこうやって会話ができるんだし君になにか名前をつけたいと思うんだがどうだろうか?」


「もちろん俺はかまわんぜ。」


「そうだな……なら…ファウストって言うのはどうだ?最初っていう意味合いで付けてみたんだけど。」


「いいじゃねぇか!なら俺はこれからファウストという名で行くことにするぜ。」


「なら改めてよろしく、ファウスト。……それでステータスを見たいんだけどいい?」


「かまわんぜ」


 そう言われたので俺はステータスを見た。


「名前:ファウスト


 種族:ゴブリン


 レベル:40


 体力:850/850

 魔力:100/100

 運:81

 知力:30

 

 

 スキル:統率(ゴブリン)

 ゴブリンのみに対応するスキル。その代わりゴブリンに対しては相当な力を持ち、スキル所持者指揮下にはいったものの能力を引き上げる(超)。」



 つんよ!ここにいる誰よりも強いじゃんか!流石2000という今は高額なDPを払っただけあるか。


「強いな!これなら安心して外の野良ゴブリンを仲間にするのを任せられそうだよ。」


「そりゃよかったぜ。なら早速行った方がいいか?」


「お願いするよ。みんなが行っている間は新しいゴブリンを買っておくから。」


「わかったぜ。……そんじゃ行ってくるぜ。」


「気をつけてな。」


 そう言ってファウストはゴブリン達を引連れて外へと出ていった。


 俺は早速1000DPを使ってゴブリンを10匹買うことにした。……残りは500か。


 そうしていつもの場所に配置し終えると、休んでいたヘラが起きてきた。


「カイトさん。さっき誰かと話してましたけど誰か来たの?」


「ああ、新しい仲間が出来たんだ。だから後でヘラにも会わせないとだな。と言っても人では無くてゴブリンだから嫌だったら言ってくれ。」


「ボクは大丈夫だよ。ここで生きると決めたんだからそういうのにはなれないとだから!」


「わかった。なら帰ってきたら呼ぶからそれまでは自由に過ごしてくれて構わないからね。」


「わかったよ。……そのゴブリンって剣術できるかな?」


「それは分からないけどステータスを見たらものすごく強かったしある程度はできそうだとは思うな。」


「だったら練習相手になって欲しいなぁ〜。」


「それだったら帰ってきたらお願いしてみるといいよ。きっとうけてくれるさ。」


「だといいな。それじゃカイトさんまた後で!」


「おう!」


 そう言ってヘラは自分の部屋へと戻って行った。

 おそらくやっと使うことができるようになった剣を振っているのだろう。分かるぞその気持ちは。


 誰でも欲しかったものが手に入ったらとりあえず使いたくなるもんな。そして夜はそれと一緒に寝る。どの世界でも同じなんだなぁ。


 さて、俺もファウストが帰ってくるまではやることが特にないし農園でも見てくるとしますかね。


 ――――――――――――――――――――


 ダンジョンものと言えば魔物との意思疎通ということで登場させました。

 魔物のリーダーたちはその魔物の基本から約20倍のDPで買うことができるような設定をしています。


 カクヨムも何やら今不穏な感じがしているので様子を見ながら投稿をしていくつもりなのでよろしくお願いします。


 そして、星一でも評価をしてくれるとモチベに繋がるのでどうかお願い致します🙇‍♀️

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