9話 天瀬ほたると、青春のページ数
結論から言うと、その日は燎の中で過去最高のドタバタな日となった。
まずほたるに引っ張られるままに向かったのは、所謂猫カフェと呼ばれる場所。
言葉通り猫がスタッフとして働いている喫茶店で、飲み物等を楽しみつつ愛らしい猫との触れ合いを満喫することを目的とした、最近と言うほどでもないが根強い人気を誇るコンセプトカフェ。
そんな猫カフェにて、何が起こったかというと。
「かわいー!」
ほたるが、猫に群がられていた。
元来、猫というのは他の動物と比べてもかなり気紛れな傾向が強い。いくら猫と触れ合える猫カフェといえど、本来なら動き回っているのを眺めるのが基本、触るとしても短時間で、猫様が許してくれる間だけ……というのが一般的だが。
何故か、ほたるには猫の方から自動的に寄ってくる。しかも一匹や二匹ではない、流石に全てとはいかないがかなりの数が彼女の足元に擦り寄ったり、膝の上に乗ったり。
ましてや抱き上げられても一向に嫌がらないのだから、彼女の猫からの懐かれようが窺えるだろう。
なんだ、動物らしく彼女の珍しい色合いの長髪に引き寄せられているのか、はたまた猫であろうとも美しいものには引き寄せられる性質を持つのか。
ともあれ、現在ほたるはこの店で一番の猫人気を誇っており。
「わ、君はいけない子だね。女の子の足にそんなぺたぺた触っちゃだめだよ?」
「登ってくるの!? くすぐったいけど……嫌な気はしないからよし!」
「ふふー、ほんとにあったかくてもふもふだねぇ。そんなに愛らしくなって、君は何がしたいのー?」
「……猫様といちゃついてるとこ悪いんだけど、一つ聞いてもいいかな」
その結果、何が起こるかというと。
「──なんで俺のところには一匹も来ないの!?」
隣に座る燎がそう絶叫した。
それを見て、ほたるは大層愉快そうかつ意地悪い笑みでこちらを覗き込むと。
「えー? それはやっぱり控えめに言っても人望の差じゃなーい?」
「控えめに言ってもそれなのかよ! 何、なんか細工したの!? マタタビ成分の入った香水とかつけてきたの!? そうと言ってくれないと流石に傷つくよ!?」
「ざんねーん、変なことはなんにもしてませーん。純粋なるほたるさんの人望でーす。いや、この場合は猫望? 猫望と書いてにゃんぼうと読む感じで」
「確かにそっちの方が語呂も良いし読みも可愛いね! ではなく、本来俺のとこに来てくれる猫までそっちに吸い取られてるのは我ながら不憫がすぎない!?」
「燎、ちょっと声抑えてー。猫ちゃん逃げちゃうよ?」
そう釘を刺し、ほたるは手に持った猫に「ねー?」とふわふわの笑顔で笑いかける。その光景は大層愛らしいものだったが、普通に猫との触れ合いが楽しみだった燎にとってはそれなりに残念である。
そこで一通り燎を揶揄って満足したのか、ほたるは「しょーがないなー」と心底楽しそうに言いながら猫の一匹を促してこちらに歩かせてきてくれた。
流石にここで無視されると燎もショックが過ぎたが、この店の猫様はそこまで非情ではなかったようで、大人しく燎の膝の上で丸まってされるがままになってくれた。
ほたるに譲られたようで若干釈然としなかったものの……それはそれとして燎の元に初めてきてくれた猫、ペットを飼った経験がなかった燎にとっては予想外の温もりと愛らしさを前に。
(……まぁいいか)
ゆるりと口元を緩め、静かに毛並みを撫でるのだった。可愛いは偉大だ。
なお。
「……なんだかんだで素直なんだよねー」
そんな燎の雰囲気、屈託なく表情を緩める様子を微笑ましそうにほたるが見守りつつ呟いたのだが、それに気づくことはなかった。
そのような感じで、次々とほたるが指定する行きたい場所に連れて行かれる形で本日のお出かけは進んでいった。
とんでもないのは、その行く先々で絶対に最低一回は何かしらの事件か非凡か愉快な何かをほたるが起こすことである。
「あーはっはっはっはっは! すっっっごい似合わない! 似合わなさすぎて笑う! 嘘でしょこんな似合わないことあんの!? ファッションって奥がふかーい!!」
「笑いすぎだろこの野郎! 確かに似合わないけど、似合わないけど! 必死に笑わないよう目を逸らしてる店員さんに申し訳ないからそろそろ着替えていいかな!!」
「ごめんね、店員さんもすみません! ちゃんと別の一式買うんで!」
アパレルショップでは、『一回男の子のコーデ考えてみたい』とやりたいことリストを消化しにかかったほたるが何故か尋常でなはなく攻めた組み合わせを考えてあまりの合わなさに大爆笑したり。
「いけっ…………よっ、しストライク!! これでわたし勝った!? 勝ったよね!?」
「俺負けたねぇ! うっそだろあそこからひっくり返されんの!? 悔しい通り越してもう褒めるしかないじゃんそれはさぁ!!」
スポーツレジャー施設では、燎とのボウリングスコア対決で圧倒的劣勢から最後三連続ストライクを決めてあまりに劇的な大逆転劇で周囲の喝采を受けたり。
「はっ、小さい子が泣いてる!」
「お? ……あー、風船引っかかったやつね。どうする?」
「もちろん助けます! わたしたちの身長だと多分届かないんで、足場になれ貴様」
「人にものを頼む態度って知ってるか貴様? まぁやるけど、それでも届くか……?」
通りがかった公園では、木に引っかかった風船を燎を足場にしての華麗なジャンプで回収し、子供たちのちょっとしたヒーローになったり。
加えて、ほたるは自ら事件を起こしに行くというか何かがありそうな場所には積極的に突っ込んでいくのである。前述の公園の件だったり、路上ライブは全力で観覧して拍手を与えて感謝されたり。
その後もまぁ似たような大暴れをし続け、それに比例して燎も振り回され続け。
「あはっ、たーのしー!」
「それは何より!」
それはもう良い笑顔で燎の腕を引っ張るほたるに対し、若干荒い息を吐きながら燎はそう言い返すのだった。
けれど、それも恐らくはここで最後。『次が今日やりたかったことのラストだよ!』と言うほたるに、意気揚々と手を引かれるままにやってきたのは──
「……河川敷?」
「そ! やっぱり最後はさ、わたしが今一番『やってみたい』と思うことの関連で、一回やってみたかったこと。今日もやってるとこ見たけど──」
そのまま、ほたるは迷いなく。今日一日大暴れしたとは思えない、疲れ知らずの笑顔で、こう言い切るのだった。
「──路上ライブ。わたしたちもやってみようよ!」
「……だから『ギター持ってこい』って言ったのね」
「そゆこと! いやーでもわたしもびっくりしたよ、割とダメもとで楽器とかできないかって聞いたらまさかギター弾けるなんて。それ聞いた瞬間これは決めてたんだ!」
話をしつつ、丁度良さそうな場所を見つけてケースからアコースティックギターを取り出す。
……話に出た通り、燎はある程度弾ける。と言うのも、中学時代も続けていた『やりたいこと探し』の一環だ。中学生が手を出すものとしてはベタもベタだが、幸い家に古いのがあったのでとにかく始めてみることにしたのだ。
「一応一通りは弾けるんだよね?」
「まぁ曲に合わせてコードを流すくらいなら。初心者の壁であるFコードで順当に終わるのだけはなんか嫌でそこは死に物狂いで突破したんだよね」
まぁ結局、その一通り弾けるようになった先を一切思い浮かべることができず、そのまま辞めてしまったのだが。……これも相変わらず自分の中途半端、三日坊主もどきを象徴しているのである。『初心者が引っかかるベタなところだけは嫌だ』という辺りがなんとも我ながら小賢しい。
「十分! やっぱり伴奏があると気分も上がるしさ、すごい助かるよ!」
……でも、それがなんの因果か役立つのなら何よりだ。
「それじゃあ早速! 歌いたい曲とそのコード進行は用意してるから、これ参考にして! それで最初は──」
そのまま、事前に用意してきたコード進行表の紙を渡されて。ほたるのリクエストに答えるまま、最初の曲を前奏を始めて──
「──♪」
伸びやかな少女の歌声が、春の河川敷に響き渡った。
……ほたるの生歌は、先日雪哉を勧誘するときにカラオケボックスでも聞いたが。
今歌っている彼女の雰囲気は、その時とは全く違う。
明るく眩しい雰囲気は保ちつつ、同時に涼やかに響くように。きっとこの場所に合わせているのだろう。風に乗ってどこまでも飛んでいくような、河川敷の広さを存分に生かしたその歌がこの場所を鮮やかに彩る。
ほたるの歌は、相変わらず素晴らしい。単純に上手いのももちろんだが、それ以上に気持ちがちゃんと込もっていると言うのだろうか。ただ純粋に『この歌を歌えて楽しい!』という感情が歌を通じてダイレクトに伝わってきて、こちらまで自然と楽しくなる。
声質も甘く可愛らしく良く通り、そして歌っているのは非常に人目を惹く容姿をした美少女。そんな子が心から楽しそうに歌っているとなれば、それはもう見ているだけでも微笑ましく幸せになれる類のものに違いなく。
そして必然、人目を集めるのである。
「え、誰あの子。超美人」
「路上ライブ? 楽しそー」
「声もめっちゃ可愛いじゃん。聞いていかない?」
河川敷に元から居た人や、偶然通りがかった人。
その中でほたるの歌を聴いた十数人が集まって、小さな演奏会状態となる。
「! ありがとーございます! あと何曲か歌う予定なので、ぜひぜひもうちょっと聴いてってくださーい!」
そしてほたるは、それに対して萎縮するような性格では一切ない。むしろギャラリーがいたら尚更乗れるとばかりにテンション高く、より笑顔で元気に歌を続ける。それに合わせて聴いている人も盛り上がる、まさに理想のライブ状態。
これが、彼女の歌。始めて僅か半年でここまで人の心に響く音を生み出せる、彼女にとっての紛れもない『特別』なもの。
それを、改めて認識した瞬間。
(……あ)
また、あの時と。雪哉と共にカラオケで彼女の歌を聴いた時と、同じ感覚。
ほたるが、ひどく遠くに感じる。隣に居て、この場にいる誰よりも近くで彼女の声を聞いているはずなのに。その歌をひとつ聞くたびに、彼女の背中が遠ざかるような。
……ほたるは、すごい。
今日一日付き合っても、彼女の周りにはいつも素敵なイベントが溢れていて。ただ容姿が綺麗なだけではない、どこで何をしていても自然と彼女を中心にして何かが起こるような、説明しきれないような不思議な華を持っている。
これは──燎も詳しくない以上推測に過ぎないのだが。
きっと、彼女が配信を始めたらすごく伸びるんじゃないだろうか。彼女が持っている性格面の華は人を集める個性となり、加えてこんな素晴らしい歌の才能まで持ち合わせているのなら、何かきっかけがあれば一気に人気となる、そんな気がする。
素人の自分にすらそのような確信に近い予感を抱かせる、特別な少女。そんな天瀬ほたるのアバター制作を任されたのが、この夏代燎で。
──本当に、自分なんかでいいのか?
(──いや。そんなこと考えるな)
脳裏に強く浮かんでしまったその言葉を、燎は即座に切って捨てる。
(それは、百も承知の上で。その上で天瀬が俺を誘ってくれて、俺もそれに応えたい、自分を変えたいって思ったから今必死に絵の修行から頑張ってんだろうが。
じゃあ──何がなんでもやるんだ。迷ってる暇なんて、ないんだ)
何より、今はそんなことを考えている暇はない。
せっかくこんなに盛り上がっているほたるの路上ライブを、伴奏を担当する自分のミスで台無しにするわけにはいかないではないか。
だから、これを考えるのは今じゃない。そう結論づけ、燎は今までより一層譜面と自分の手元、そしてほたるの歌に集中し──
◆
無事、路上ライブは盛況のまま終えることができたが──
「──つ、か、れ、た!!」
帰り道、燎はそうベンチに座り込んで魂の咆哮を放った。多分そこまで誇張表現ではないと思う。
「お疲れ! そんでそれに関してはかなりガチめにごめん! まさかあんなに盛り上がるとは思わなかったし……」
そんな燎にスポドリを差し出しつつ、さしものほたるも若干気まずげに。
「……調子に乗って追加で三曲ぐらい資料のない曲とかリクエストしたのはやりすぎでしたごめんなさい! ていうかよくついてこれたね!?」
「俺も良く知ってる曲だったからなんとかね!」
そういうことである。
ただでさえ今日一日振り回されて疲弊していたところに、予想外の路上ライブの盛り上がりによる失敗できない緊張感。更には予定にない曲を咄嗟に弾く必要が出てくるという追い討ちまで。
決して本職ギタリストではない人間にとってはどう考えても過剰な試練だろう。
……大過なく終わったのでもうとやかくは言わないが、しばらくの休憩とスポドリを奢ってもらうくらいは要求しても良いだろう。
そうして、休憩を終えての帰路。
「いやー、す──っごい楽しかった!」
「それは何より」
隣で大変満足そうに伸びをするほたるに、燎は呆れ気味に路上ライブ前にも言った言葉を改めて返す。
……にしても、本当に色々なところに行ったし色々なことをやった。
猫カフェに服飾店にスポーツレジャーに、昼食のお店に咄嗟にウインドウショッピングで寄った店に。公園の件や他人の路上ライブ鑑賞等々、改めて並べてみるとやはり一日でこなして良いイベントの数ではない。
(……)
そこで──ふと思い立って。
付け加えると今日の燎の目的にも関連することなので、口を開く。
「なぁ、天瀬」
「ん、どしたの?」
「なんで──そんな急ぐくらいにいろんなことをしようとしてるんだ?」
それは、純粋な疑問。
もちろん本人の気質もあるのだろうが、ここまで色々なことをしようとするのは、やはり何かそこに特別な理由があるように感じるのだ。そしてここからは推測になるが……それが、彼女にとっての大きな何かなのではないかとも思う。
「ん、まぁ確かに理由はあるよ」
その推測が当たっていたかは分からないが、ほたるも素直に答える。
「あ、でも先に言っておくけど、『実はわたし余命一年で』とかそんなスーパーおもおもへびーな設定はほたるさんには無いからね!」
「それは助かる。流石に知り合って一週間でんなこと言われたら受け止めきれん」
「わたしは今もこの先も元気いっぱいです、多分ここから百三十年くらい生きます!」
「正直天瀬ならそれくらいありそう」
なんか生命力的な何かが人の十倍あると言われても驚かない。
「……ま、でもね」
そこでほたるは、たっと燎の前まで軽く駆け、くるりと振り向いて。
「わたし、強く考えてることがあって。……言われればそりゃそうだろって感じのことなんだけど、聞いてもらっていい?」
「……ああ、聞かせてくれ」
問いかけに答えると、静かな笑顔を浮かべた彼女が、こう述べる。
「──
「──」
確かにそれは、言われてみれば当たり前な。
けれど……燎たち、入学したばかりの一年生にとっては。無意識のうちに『ここからたくさんの高校生活がある』と思っている人間にとっては、どこか気付かされる言葉。
「長いか短いかで言えば、まぁそりゃ長いよ。言って三年だし、わたしは自分が三年後どうなってるかなんて全然分からないし」
「……」
「でもきっと、漠然と『長い』って思ってるだけじゃすぐに終わっちゃう。時間は思い込み次第でいくらでも長くも短くもなるってことを──わたしはきっと、人よりほんのちょっとだけ詳しく知ってるんだ」
それを知るに当たって、彼女に何があったのか。
きっと、それは気安く聞いて良いものではないのだろう。
「だからね。わたしはこの高校生活では、全力で『今日』を見ることにしたんだ」
「今日?」
「そ。『残り何日』なんてことばっかり考えてたら絶対気が滅入っちゃうもん。それよりも今やりたいこと、今日したいこと。明日をもっと素敵にするために、今日やるべきだと思うこと。高校生活でやりたいこと、楽しみたいもの、なりたい自分、全部全部!」
歌うように夕日に紡ぎ、世界に宣誓するように手を広げて。
「呆れるほど全身全霊、全力全開で! やりたいこと全部、後悔なく『今日』に詰め込んで、そのまま走り抜ける──そんな最高の高校生活を過ごしたい。それができたらきっと、千日はとっても、本当に飽きるくらい長くできるはずだから」
「……」
「そのためには、一日だって無駄にしない。一秒だって惜しいくらい。わたしは『わたし』を全部使って、なんだってできるって、どこにだって行けるって証明するんだ!」
そう、恥じることなく言い切った彼女は。
夕日に照らされただけでなく──今までで一番、輝いて見えた。
そこからほたるは、少しだけ目線を落として。
「────」
「……天瀬?」
「ううん、なんでもない!」
何事かを呟き、それに対して燎が問いかけるがすぐに首を振って笑顔を戻す。
「とまぁ、こんなこっ恥ずかしいハイパー刹那快楽主義なほたるさんなのですが」
「台無しだよ。……そんな恥ずかしくもないだろ、すげぇ立派だと思ったよ」
今までの口上をそんな単語にまとめないで欲しかったが、照れ隠しだろうと思ってそう返す。
それに──身につまされる部分もあった。
『一日だって、一秒だって無駄にしている時間があると思ってるの?』
『とにかく時間が惜しいから』
今日までに蒼、雪哉から聞いた言葉。そして、今日ほたるから聞いた言葉。
……何かを目指している人間と、燎は、そもそも時間に対する覚悟が違う。
(……そうだよな)
高校生活は、たった千日。その期限は──青春の絶対時間は長くはできない。
でも、密度なら。
ほたるはそう言っていて……燎も確かに、そうであったら良い、そうしたいと思える。
それを踏まえた上で、改めて燎は心中で。
(──『たった千日のうちの六十日も』待ってくれるんだ。それじゃあ……その時間に応えるものを描けるようにならないと、申し訳が立たねぇよ)
先ほどの路上ライブの時に感じた距離も踏まえて、決意を新たにする。
「あ、そうだ燎。最後に一つ聞いておかないと」
そんな燎を、ほたるは最後に正面から見据えて。
「燎は──今日、楽しかった?」
いつもとは違う……ほんの少し自信なさげな。
気遣うような上目遣いで、聞いてきた。
そして、燎の答えは当然決まっている。
迷わず、笑って口を開き──
「──すげぇ楽しかったけどあと一月くらい同じのは勘弁」
「はい減点! 減点です!! 後半絶対要らなかったよね!? しっかり前半だけで格好つけてれば評価うなぎ登りだったのに! 今日までじわじわ上がってた好感度が今のでもっかい地に落ちましたー!」
「超喋るじゃん」
そこからは、駅で別れるまでなんかお馴染みになってしまった掛け合いを繰り返しつつ。
燎にとってはほたるについて──まだまだ知らないことは多いが、今まで以上に知れた。つまりはしっかりと目的を達成して……
──本当に、自分でいいのか。
はっきり言語化してしまった、きっと簡単には拭い去れない疑念を内に残しつつも。
それでも。確かに得るものは多く、決意と共にそのお出かけは終わるのだった。
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