最終話:俺の彼女はまぎれもなく堕天使。

「つうか俺も、もうちょっと態度を改めないとダメだな・・・あ、ダメですね」


「なに、言ってるの・・・変な人」


「多少、高い服でも買ってさしあげますからね、お嬢様」


「やめて・・・キモいから」


「いやいや・・・俺たち、別れたほうがいいんじゃないでしょうか、お嬢様」


「やめて・・・お嬢様って・・・なに、言ってるの・・・さっき恋人宣言した

ばっかじゃない」

「私のパパがルシファーだって知ってビビってる?」


「だってさ・・・あまりに大物すぎるだろ、そりゃビビるよ?」


「せっかく彼氏ができたのに・・・パパが足引っ張ってるじゃん」

「パパと縁切っちゃおうかな」


「え〜そんな簡単に・・・」


「いいの・・・私ひとりいなくなても寂しくないんだから」

「パパには子供が数え切れないくらいたくさんいるんだからね・・・」

「たまたま、私がカオスに落ちたから・・・それで気にしてくれてるだけ」


「今の私にはパパよりイッシーのほうが大事だもん」


「だけどな〜・・・」


「別れるなんて嫌だよ」

「私、イッシーがいないと生きていけないんだから」

「私をフったら、無理くり悪魔になっちゃうよ」


「分かってるよ・・・ちょっと話に乗ってみただけです、お嬢様」


「まだビビってる・・・」


「冗談だよ・・・ビビっちゃいないよ・・さあ帰ろう」


「そうだ、どこかで飯でも食って帰るか?」

「だけどな〜、今日は来羅に高い服買わされたし・・・マンションに

帰ってカップラーメンだな」


「そうだ・・・服で思い出した」

「ライラの下着・・・肝心の下着買い忘れてる」


「え〜またスーハーってところに戻るの?」


「スーハーじゃなくてスーパー」

「女の子のものは高くつくよな」

「そうだ、スーパーやめて百均に行こう」

「パンツなんて百均パンツで上等」


で、俺はライラを連れてまたスーパーまで戻って、駐車場脇の百均ショップへ。


「私、下着の買い方知らないよ」


「山積みになってる中から適当に何枚か選んで来たら支払いは俺がしてやるから」


「ほ〜い、好きなの取って来たらいいんだね」


結局、来羅のパンツはレジに持っていくわけで、支払いは俺・・・

恥ずかしい思いをすることは避けられなかった。


結局、カップラーメンなんか嫌だって言うお嬢様のわがままでレストランで

昼飯を食った。

なんやかんや言って、やっぱり女の子を連れてると高くつく。


ボーナスの三分の一は来羅のために使ったんじゃないかな?

そもそもマッチングなんかにログインしたのが運の尽き。


だけどまあ、俺は後悔はしてなかった。

ボーナスをはたいても、いくらお金を積んでも手に入らない彼女ができた

んだから・・・超レアな彼女が・・・。

俺は女の子を育てるシュミレーションゲームは嫌いじゃないからいいんだけどね。


こういう買い物デートとか、女の子と一緒の時間を過ごしたことも今まで

経験したことないし、それが心地よかったりする。

来羅を連れてることで優越感に浸ってる自分もいるし、まあ、こんなに可愛い子

はそうはいないだろ?

こんな可愛い子が俺の彼女だぞって思うと優越感に浸れる。


だから俺は休みの日には来羅を連れて頻繁に買い物に出かけた。

遊園地、映画館、水族館やイベント、いろいろ連れて行った。


この先、俺たちの関係がどうなって行くのか、それは誰にも分からないこと

だけど、もしかしたら俺の義理の父親が堕天使ルシファーになる日が

来るかもしれないね。


END.

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承認欲求堕天使。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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