第7話:堕天使ルシファー。

洋服を買ってやるって言った手前、無視するわけにもいかない。

安い服でごまかそうとした自分にも責任はある。

意志郎はしかたなくカードで来羅が欲しいってきかない洋服を買ってやった。


「もうそれだけだからな・・・」


「ありがとうイッシー」

「って言うか・・・さっき誤魔化されたけど・・・イッシー彼氏って

言ったよね・・・私の彼氏って」


「・・・・」


「そっぽ向かない」

「言ったでしょ?・・・」

「それって私とイッシーが恋人同士だよって言ってるのと同じだよね」


「そう言うことになるのかな?」


「そうだよ、好きでもない者同士が同じ部屋に住んで一緒に買い物になんか

来ないでしょ?」


「まあな・・・だから、それでいいんじゃないか?」

「いいんじゃないか、じゃなくていいよって言ってくれなきゃ」


「まだちょっと、ほんのちょっと抵抗があるんだよな、堕天使ってことに・・・」


「え〜まだそんなことにこだわってるの?」

「イッシー矛盾してるね」


「なにが?」


「抵抗があるって言いながら、自分を私の彼氏だって言ってることが・・・」

「私が堕天使だってことが、そんなにいけないの?・・・じゃ〜天使だったら

どうなの?・・・天使だったらよかったの?」


「聴き映えって言うか、見栄えって言うか・・・そりゃ見た目は天使も堕天使も

変わんないかもしれないけど、肩書きとしては堕天使より天使もほうが聞こえは

よくないか?」


「イッシーは世間体を気にするタイプなんだ」


「俺は人の意見を気にしたり忖度なんかしないよ」

「じゃ〜分かった・・・この際はっきりさせよう・・・」

「俺は、俺、意志郎は来羅を恋人って認める、堕天使だってことは今後いっさい

気にしないことにする!!」


「本当?本当に?・・・うそじゃないよね?」


「うそなんか言うかよ、男に二言はない」

「俺たちは正真正銘、恋人同士・・・それで決まりっ、文句あっか?」


「ないない〜」

「よかった〜・・・じゃ〜さっそくパパに知らせとかなきゃ」

「え?知らせるって?・・・パパって?」


「人間界で私に恋人ができたら知らせろよって言われてるから・・・」


「え?カオスだろ?・・・そんなところに連絡なんかできるのか?」


「スマホでメッセージ送っとけばね、いいから」


「え?向こうにもスマホなんかあるのか?」


「あるよ、もう随分昔から天国でも普及してるね・・・」


あ〜そうなんだ・・・まさかここに来て来羅のパパが出てくるとはな。

ややこしいことにならなきゃいいけどな。


「パパって?来羅自身のパパだよな?・・・まさかパパ活なんてことは

ないよな・・・あと援交とか?」


「ある訳ないじゃん」

「私のパパは大天使だったんだけどね、カオスに落ちてから今は堕天使長に

なってるの」

「身を崩しても、行った場所でまた地位を獲得できるって」

「そんな凄い堕天使なら来羅のパパってさぞかし有名なんだろうな?」


「一番有名かも・・・イッシー、堕天使ルシファーって知ってる?」


「知ってるも知らないも・・・ルシファーの名前は昔の伝承とか

読んでたりファンタジーやゲームやってる者なら知ってるだろ・・・」


「って言うか・・・もしかして来羅のパパって?」


「堕天使ルシファーだよ」


「うそ〜まじで〜・・・ヤバ〜・・・俺、殺される・・・え〜自分の娘の

彼氏が俺だって分かったら絶対殺されるわ・・・終わった、俺の人生終わった」


「な訳ないから・・・私がそんなことさせないから」

「親子の縁を切ってもイッシーについて行くからね、安心して」


「安心なんかできるかよ・・・ルシファーって悪魔のサタンだろ?」

「ってことは来羅もそのうち悪魔になるのか?」


「私はカオスにいないからね、ここにいる限り悪魔になんかならないよ」

「だけど〜悪魔になっても、見かけはなにも変わんないよ」

「性格は暴力的で猟奇的で変態でどSになると思うけど・・・」


「ダメじゃんそれ・・・」


「あのね、大丈夫だからね・・・私がパパにイッシーこと、めっちゃ

いい人ってアピールしといてあげるから・・・最高で超どスケベな彼氏だって」


「超どスケベは余計だよ」

「つうか俺も、もうちょっと態度を改めないとダメだな・・・あ、ダメですね」


「なに、言ってるの・・・変な人」


「多少、高い服でも買ってさしあげますからね、お嬢様」


「やめて・・・キモいから」


つづく。


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