第4話:堕天使で女子高生。

「私はイッシーしか他に頼る人いないから・・・」

「私カオスからは出られましたけど結局、人間界に来ても、ひとりじゃ

生きていけないことには変わりありませんから」

「それに私はもう人間の世界でしか生きていけないの、天界へも帰れないし

他では暮らせない」

「だからイッシーに全面的に依存するしかないの、分かった?」


「分かった・・・まあ、しょうがないか・・・来羅ライラがJKだからって

俺がスケベ心なんか出したからこう言う羽目になったんだし、俺にも

責任の一端はあるか」


なんだかな〜これがさ、普通の女子高生ならこのままエッチい行為に、

なだれ込んで美味しい思いしたな〜で終わるんだろうけど・・・。


来羅は意志郎がつけたテレビを珍しそうに見ていた。

意志郎は、そんな来羅を見て思った。


堕天使って?・・・JKじゃないじゃん、俺をはめといてなんだよ・・・

でも未だに信じられないよ。

どうすんだよこれから・・・。

あの様子じゃ、どこへも行くアテなんかなさそうだし、ここで暮らすしかない

って言ってたし・・・。


今晩だけ泊めるのはまあいいとして、明日の朝、出てけなんて言えないよな。

可哀相だもんな。


すると来羅が意志郎の横にやって来た。


「横、いい?」


「いいよ・・・」


「普通に話していい?」


「うん、いいよ」


「イッシー、まだ信じてないでしょ?」


「え?・・・・・信じてるよ」


「本当に?」


「ほんと」


「私が堕天使だと知って残念に思ってない?・・・女子高生じゃなかったから」


「いいよ、別に・・・おばちゃんは無理だけど・・・」


「あのね、私、偽物の女子高生じゃないんだよ?」


「なに?どう言うこと?」


「私、天界で天使だった時、人間と同じように普通に学校に通ってたの」


「まじで?・・・天界に学校なんかあるんだ」

「そりゃあるよ・・・子供の頃から何でも知ってる人なんていないでしょ?」

「勉強しなきゃ、学ばなきゃ・・・」


「まあ、たしかにな・・・」


「だから私、堕天使だけど、ちゃんと女子高生だからね・・・ウソはついて

ないからね」


「分かった・・・」


「あのね・・・イッシーがマッチングサイトにログインしたってことは

女の子が目的だったからでしょ?」


「ち、違うよ、ほんの興味本位で覗いてみただけだよ、それだけ」


(本当は下心丸出しだったけどな)


「本当に本当?」


「ほんとにほんと・・・・スケベ心なんか一ミリもないから」


「正直に言っていいんだよ・・・私、なんとも思わないから・・・」


「まあ、いい子がいたらな〜とは思ったけど・・・」


「私をお持ち帰りできたらエッチしようと思ってた?」


「なに?・・・なに言ってるの・・・なこと思うわけないだろ」


「じゃ〜なんで御蔵駅みくらで私を待ってたの?」


「いや〜普通に楽しくデートがしたかっただけだよ」

「俺はヤリチンじゃないからな・・・それに物事には順序ってものが

あるだろ・・・相手のことを好きになって、でさ、愛を育んで自然に

結ばれるってそう言うのがいいんだよ・・・やちゃえばそれでいいって

もんじゃないからな、それじゃつまんないだろ?」


(わ〜俺、心にもないこと言ってる・・・)


「そ、じゃ〜私とエッチしなくてもいいんだ・・・」


「し、しなくていいよ」


(本当は正直やりたくてしょうがないんだけど・・・)


「ふ〜ん、そうなんだ、イッシーさえよかったら私は、してもいいって

思ってたんだけどな・・・エッチ」


「まじで?・・・積極的・・・堕天使ってそんなに急ぐキャラなの?」


「そうじゃないけど、これからお世話になるからと思って・・・私には

お礼とかしてあげられないから・・・」


「ああ・・・いいよ、お礼なんか」

「それにさ・・・来羅、未成年じゃん、エッチするとかしないとかって

以前に未成年はダメでしょ?」


「関係ないくせに」


「いいから・・・堕天使なんか抱けるか・・・呪われそうだよ」


「呪ったりしないよ、でも、もししたくなったら言ってね、どうぜ私の

ハズバンドになってもらうんだから・・・」


「は?・・・ハズ?・・・ハズバンドってなに?」


つづく。

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