第51話 ドラゴン娘、泥棒三姉妹から奪い返す。(前編)
「なんて事だ!本当に庭にいた部下達が皆、眠らされている!」
「我の屋敷の門番もだ!」
「リュウカとアンナの姿もどこにもないべ!」
「リュウカ様!アンナさん!」
「警部!空に何かが飛んでいます!」
「何だと!」
「あれは気球だべ!」
「まさかあれに泥棒三姉妹が!」
時すでに遅し、人質のアリアを乗せた泥棒三姉妹の気球はすでに地上の建物が小さく見えるほど高く上がっていた。
「ここまで来たらあいつらが追いかけてくる事は出来ないわ。」
「今回はちょっと焦ったね。まさか姉様の完璧な変装が見破られるなんて。」
「ええ。私の変装を見破ったのはライバルのシーカ警部を入れて二人目、あの半人の小娘、中々やるわ…」
「それでも目的の宝石をこうやって持って帰る辺りが私達、プロだよね。」
「まぁね。」
偽アリアが首に盗んだダイヤの首飾りをつけた。
「姉様が無事で本当によかったわぁ♡」
「いちいち抱いつかなくていいわよ!アルファ!」
「あの…?アルファ姉、ウチの心配は…?」
「してたわよ、ちょっとね?」
「ちょっとかよ…」
「私なんかを人質にしてどこに行くの…?」
「実際、もうここまで来たら、追いかけて来れる奴なんか居ないだろうし。あんた人質として用済みなのよ。」
「そうだよね。」
「じゃじゃあ…まさか私を殺すの…?」
「殺さない、殺さない。私達は殺し屋じゃなくてあくまで泥棒だから。人殺しはしないわ。」
「じゃじゃあ…私を手籠めにするの…?」
「コケッ!何でそんな発想になるのよ!」
「小さいのに難しい言葉知ってるんだね。」
「だってそこのお姉さん、ロリコンなんじゃ…?」
「誰があんたみたいなガチのロリなんか狙うか!」
「ほえっ…?」
「私はね、姉様みたいな合法ロリが好きなのよ♡」
「だから抱きつくな!」
「あんたみたいなまんまのガキなんか興味はないのよ。」
「そっそうですか…」
「悪いけどね、ウチらが安全に逃げられるポイントまで着いてきてもらうよ?」
「そんな…」
『アリアー!!』
«えっ!?»
「姉様!今、人の声がしなかった!?」
「そっそんなわけないでしょう!」
「私にも聞こえたわ!」
「もしかして!」
すると下から完全なドラゴン状態になったリュウカが現れた!
«ぎゃぁぁぁ!!»
「やっぱり!」
「助けに来たわよ!アリア!」
「お姉ちゃん!」
「姉様、何なの!この巨大な化け物は!?」
「私にもわかるわけないでしょう!?」
「化け物とは失礼だな?」
«しかも喋った!?»
「まぁ、この見た目は初めて見る奴にはインパクトが強すぎるか。」
「リュウカ!気球に飛び乗るからもっと近づいて!」
「おいおい!そんな危ない真似して落ちたらどうするんだ!」
「その時はあんたが助けてくれるでしょう?」
「変に信頼されてるな。俺って。」
「頼むわよ!」
「了解!」
«来るな、来るな、来るなぁ!!»
「えいっ!」
«わっ!»
アンナはジャンプして見事、気球に乗り込んだ!
「お姉ちゃん。」
「もう大丈夫だからね。」
アリアを縛っていた縄をナイフで切った。
「人質が!」
「アリア!リュウカの背中に飛び乗って!」
「こっ怖いよ!」
「大丈夫だ!俺が必ず乗っけてみせる!」
「わかった…えーい!」
アリアは勇気を振り絞って、リュウカの背中に飛び乗った!
「でっ出来た…出来たよ!」
「偉かったぞ、アリア。」
「さぁ、人質はもう居ないわよ?大人しく盗んだそのダイヤの首飾りを返しなさい?じゃないと実力行使で取り返すわよ?」
「やれるもんならやってみなさい!」
「そうよ!私達を舐めないことね!」
「ウチ、強いよ?」
「あなた達、覚悟はいいのね?」
「アリア!しゃがんで目を閉じてろ!」
「えっ!うん!」
「行くわよ!スター・ライト!!」
«きゃぁぁ!»
気球の中が眩しい光に包まれた!
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