第45話 ドラゴン娘、着せ替え人形になる。

俺は領主との話を一段落させ執務室を出て、メイドの案内でメグの部屋に着いて入ると、中はTheお嬢様の部屋って感じだった。


「お待ちしてましたわ〜♡」


「うっうん。待たせてごめん。アリア達の姿が見えないけど、部屋には居ないのか…?」

(まさか泥棒三姉妹が三人と…)


「フフフッ。居ますよ。皆さんベットに隠れてるだけです。」


「隠れてる…?」


「さっきまでワタクシの着せ替え人形になってもらってましたから。」


「ああ。なるほど。そういうこと、ねっ。」


«きゃっ!»


ベットのカーテンを開くと恥ずかしがる三人が居て。アリアは天使姿。ヨーコが聖女姿。そして極めつけアンナの猫耳メイドだった。


「ほう!皆、可愛いじゃないか!」


「そうでしょう!そうでしょう!ワタクシの服選びは完璧ですから!」


「あんまり見ないでくれる…」

「はっ恥ずかしいよ…」

「オラにこの服は似合わないべ…」


「なんか写真撮りたくなるな!でもカメラなんてないか…」


「ありますよ!」


「おぉ!マジか!言ってみるもんだな!」


俺はカメラを受け取った。どうやらこの異世界のカメラは魔導式みたいだ。シャッターを押すとそのたびに術式が出る。


「いいね。いいね。」


「撮らないでよ!バカ!」

「そうだべ!変態!」

「リュウカお姉さんったら!」


「えー。いいじゃんか。本当に3人とも似合ってるぞ。写真に残さないともったいないって。」


「仕方ないわね…」

「リュウカがそこまで言うなら…」

「いいよ…?」


「その気になったな。3人とも目線くれ。」


「ワタクシも撮らせてもらいますわ!」


「メグ様もですか!」


それからしばらく3人にポーズをとらせたりして。写真を撮りまくった。


«疲れたぁぁ…»


「ハァハァ。最高だったぞ。3人とも可愛いし。本物のコスプレヤーみたいだったな。」


«コスプレヤーって…?»


「あっいや!何でもないぞ!それにしても大満足な一時だった。」


「あら。何をもう終わったみたいな事言っておられますの?」


「そっそれって…?」


「もう♡リュウカ様がまだですわよ♡」


「あっ…やっぱりそういう意味か…わるいが俺はパスで…?」


「なっ何を仰ってますか!!ワタクシにとってはさっきまでは前座ですのよ!!リュウカ様に似合う衣装を着せて写真に撮るのが最大の楽しみにしてましたのに!!」


「顔が近いってば…?」


「そうだよ…」

「だよな…」

「メグ様の言う通りだわ…」


「君達…?」


へたばってたはずの三人が起き上がると、目を光らせて俺に近寄ってきた。


「あんなに写真撮っておいて、自分だけ逃げるのは卑怯よ…?」

「おめえさんもオラ達と同じ目に合わないとな…?」

「リュウカお姉さん、覚悟してよね…?」


「三人とも落ち着いて…?なっ…?」


«おまえが言うなー!»


「うがぁ!?」


俺は強制的にメグが用意したアイドルみたいな衣装に着替えさせられた…


«わあぁぁぁ♡»


「よくお似合いですわぁぁ♡ワタクシの目に狂いはありませんでしたぁぁ♡」


「リュウカお姉さん超可愛い♡」

「初めて見る衣装だが似合ってるべ♡」

「まっまぁ。いいんじゃない。」


「はっ恥ずかしいぞ…スカートは短いし…」


「あんた今、着てる服みたいなとかよく買ってきたりしてるじゃない?」


「それは自分で鏡で鑑賞するためのやつだ!」


「相変わらずのナルシストね…?」


「さっそく写真に撮りますわよ♡」

「オラも撮る♡」

「私も♡」


「とっ撮るなぁ〜!」


「でも本当に似合ってるよ?」

「オラもそう思う。」


「そっそうか…?」


「リュウカ様よりこの衣装が似合う美少女は居ませんわ♡」


「えへへ、えへへ、だよな!俺はなんてったって絶世の美少女だもんなぁ!」


「写真撮ってもよろしいですか♡」


「もちろんだ!いくらでも撮ってくれたまえ!」


«やったぁ♡»


「リュウカってチョロいよね…」


アンナは三人からの指示に笑顔で応えてポーズをするリュウカを見ながら心の中で思った。


「まだあの子と入れ替わるチャンスはないわね。」


天井の隙間から覗いていた。

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