第25話 ドラゴン娘、実力を見せる。
美少女ドラゴン娘の俺は寝込みを襲ってきた、元ホワイトのポーション屋の従業員で田舎弁とオレンジ髪とそばかすが特徴の冒険者少女ヨーコと戦うことになり、アリア達を起こさないように店を出ると、戦いやすいからと広場に案内された。
「これだけ広ければ思いっきり戦えるべ?深夜で人っ子一人歩いてないから巻き添えもまずない。」
「でも激しく戦闘したら、うるさくて近所迷惑だろ、そうなったら野次馬も来るかもしれないぞ?」
「その心配はないべ、ファイティング・シールド!」
「なっ何だ、これは結界?」
広場を白い結界が囲んだ!
「この中で戦えば、どんな魔術を使っても外に被害は出さないし、戦ってる音も姿も見えない。いわば秘密のバトルフィールドだべ。」
「流石は異世界、何でもありってわけだ…」
「これなら文句ないべ?」
「ああ、文句はない、ただ本当に戦わなくちゃならないのか?」
「まだそんな事言ってるべか、優柔不断な奴はオラ嫌いだぞ。」
するとヨーコは上着を脱いでタンクトップ姿になった!
「なっなっ何で薄着になるんだ!上着着てても戦えるだろう!」
「この方が動きやすいんだ。」
俺が顔を真っ赤にしてる事など気にも止めず、赤い革手袋を両手にはめると、柔軟体操を始めた。
「やる気満々ってわけか…本当は女の子と戦うなんてしたくないけど、紳士気取りじゃいられないかもな…手加減したら勝てない相手だ、本能的にわかる…」
俺も柔軟体操を始めた。
「どうやら戦う気にはなってくれたようだべ。」
そして俺らは向かい合った。
「それでどうしたら寝込みを襲った理由を教えてくれるんだ…?」
「オラが参ったって降参したら教えてやる。」
「降参したらか、シンプルだな…?」
「安心するのは早いべ、まだおめえさんが負けた時にどうするか決めてないぞ?」
「それは適当に決めておいてくれ。」
「ほう、随分な自信だべ。」
距離を取ると、お互いに戦闘態勢をした。
「オラが人間だからって手加減するな、強い種族の半人とは過去に何度か戦って勝利してるべ、最初から本気出せよ?」
「そのつもりだ、ウガアアッ!」
「おお!なんて迫力の雄叫びだ!久しぶりに身震いしたべ!」
「怯むどころか喜んでるだと…ガチの戦闘狂なのか…?」
「じゃあ、こっちから仕掛けるぞ!」
「こっこいっ!」
俺はヨーコの繰り出す突きや蹴りを防いだ!
「オリャッ!オリャッ!オリャッ!」
「速くて一発一発が重い、これが人間の女の子の攻撃なのか!」
俺はとにかく防いだ!きっとまともに受けたら、いくらドラゴン娘の頑丈なこの体でも痛いって感じるはずだ!というか、物理攻撃なんかい!シールド張った意味は!
「オラの攻撃をここまで受け流せる奴も久しぶりだべ、町で聞いた通り、強いってのは本当らしいな!」
「そりゃどうも!」
「でもそう簡単には崩せない鉄壁のガードもいつまでも続くわけじゃない!」
「しまった、足が!」
「ほらな、オリャッ!」
「がはぁっ!」
俺は一瞬の隙をつかれて、腹に強烈な突きをくらった!
「ぐっ…こんな絶世の美少女の腹部を…躊躇なく殴ってくるとは…どんな神経してんだ…?」
「オラはおめえさんと違って、たとえ相手が綺麗な半人でも容赦しねぇべ。」
「このっ…お返ししてやる、スウッ。」
「息を口に溜めて、何をするつもりだ?」
「ヒュッ!!」
「うわぁぁ!!」
ヨーコは俺の吹いた強風に飛ばされて近くの噴水にジャボンッと勢いよく落ちた。
「弱くはしたけど、やりすぎたかな…」
「ぶはぁ、アハハハッ!何だ、今の攻撃!あんな攻撃初めて見たぞ!おめえさん面白いな!」
「そっそうか…?」
(水に濡れたし、怒ると思ったんだけどな…?)
「参った。降参するべ。」
「えっ…?もう負けを認めるのか…?」
「降参したし、おめえさんの寝込みを襲った理由を教えてやるよ。」
「あっうん…?」
「本気で戦って欲しかったんだよ。」
「本気で戦って欲しかった…?」
「おめえさんの実力が噂通りか知りたくてな、寝込みを襲ったら敵だと思って、本気で戦ってくれると思たんだよ。」
「そっそっそんな理由かよ!!」
「戦ってよくわかったべ。おめえさんの実力は本物だって認める。それで折入って頼みがあるんだ。」
「ちょちょっと待て。」
「何だよ、顔隠したりして、こっちは重要な話をしようとはしてるんだぞ?」
「ブ…」
「ブ?」
「ブラが透けてるぞ…?」
「んっ?あっ本当だ、だから何だよ?」
「直視出来ないからよ、服を着替えてから話そう…?」
「おめえさん、思春期の男子みたいなこと言うな…?」
「だっだよな…あはは…」
(だって前世はそうだったんだから、仕方ないだろう!)
話をする前に着替えさせることにした。
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