第26話 ドラゴン娘、パーティーに誘われる。
「俺にダンジョン攻略を手伝ってもらいたい…?」
「おめえさんの実力を見込んでの頼みだべ。頼む。」
ヨーコに私服を貸して着替えさせて、俺の部屋で話を聞いたが、予想してなかったお願いに少し驚いた。
「つまりはパーティーを組みたいって事だろう…?わるいが今の生活に満足してて町を出て一緒に旅をする気はないぞ…?」
「組むのは一時的でいいんだ。今回のダンジョンを攻略する間だけで。」
「というよりそもそも俺は冒険者登録自体してないぞ…?それでパーティーなんか組んでいいのか…?」
「冒険者が一人でもいれば素人を混ぜてパーティーを作ることは許されてるべ。」
「そうなのか?まぁRPGは好きだったからな、ダンジョン攻略は憧れではあるけど。」
「だろ!あれっ?RPGって何だ?」
「あっいや!でも素人を入れるくらいだったら、同じ冒険者の奴を誘えばいいんじゃないのか?慣れてる人の方がいいだろう?」
「痛い所をつくな、おめえさん…?」
「その表情、何か事情があるのか?」
「同業者を誘ったさ、でも断られた、誰もあのダンジョン攻略に行きたがらないんだよ。」
「どうしてだよ…?」
「何でもオラの前にパーティーや個人で挑んだ奴らがいたらしいんだが、強力な罠は仕掛けられてるわ、凶暴な魔物には襲われて歯が立たなかったわで、そのほとんどが最初の地下一階のエリアすら突破出来ず重傷を負って命からがな帰ってきたらしい。」
「そんな激ムズのダンジョンだったのか…?」
「だから誰も攻略には行きたくないらしい、本当、この町の冒険者は根性なしばかりだべ。」
「いくら何でも言い過ぎじゃ…ギルマスとかは?」
「ギルマスぐらいの実力なら簡単に攻略出来るべ、でもギルマスが動くとなると大掛かりになる。町の人達を不安にさせるだろう?まだダンジョンの外に魔物が出てくる気配はないし、出来れば穏便に済ませたいらしい。でも町にいる冒険者はビビって攻略には行かない、苦肉の策としてオラが呼ばれたんだ。」
「なるほどな、大体の成り行きを理解したぞ?」
「本来なら素人に激ムズダンジョンの攻略を手助けしてくれなんてどうかしてると思うべ、でも戦ってみて、おめえさんはその考えを覆すぐらい強い半人だってわかったんだ。」
「まっまぁな。」
(俺、ドラゴン娘だからな。)
「頼む、協力してくれ。オラだけじゃ攻略出来そうにないんだ。この町を守りたいんだよ。」
「ヨーコ、あんた…」
「お礼は何でもする。無事に攻略して賞金をもらったら、八割、いや、全額あげてもいい。だから…」
「そんなもんいらないぞ。」
「えっ…?」
「お礼なんかしてもらわなくても、やるよ。」
「いいのか…?」
「町を守りたい気持ちは俺も同じさ。」
「リュウカちゃん…」
「それに。」
「それに?」
「君みたいな可愛い子の頼みを断るなんて、俺はしないぞ。」
「オラが…可愛い…?」
「鏡見たことないのか。可愛い方だろ。」
「かっからかうのはよすべ…オラ…人からそんなこと言われたの初めてだ…」
「みんな見る目がないだけじゃないか。」
「どう考えたって…おめえさんの方が綺麗だし、可愛いだろう…後、胸も大きいし…」
「そりゃそうだ。俺は絶世の美少女だぞ。」
「認めるとか…ナルシストだべ…」
「そんな絶世の美少女の俺が可愛いって認めてるんだ。ヨーコは可愛い。」
「なっなっなっ…テンションおかしいんじゃないべか…?」
「なんせ…深夜テンションだからな…」
「はわわぁ…」
(同じ女の子なのにドキドキする…)
「ヨーコ…」
「なっ!」
「スゥゥ…スゥゥ…」
「寝ちゃったべ…?」
リュウカはヨーコの太ももで眠った。
「ベットに移動してやるか…」
ベットに移動させると布団をかけた。
「まだ胸がドキドキしてる…オラを口説くなんて…変な子だべ…でも嬉しいな…チュッ。」
ヨーコは眠るリュウカの頬に軽くキスをした。
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