第19話 ドラゴン娘、殺し屋と戦う。

「おまえが殺し屋のゾルーザか?」


「ああ、いかにもそうだ。」


このゾルーザという男、ゴツい体つきで顔に深い傷があって、只者じゃない感を出してる。


「見た目は小娘だが、半人だ、強いだろうな?」


「正解、超強いぞ?」


「だが、残念だったな?俺は半人だって殺した過去がある、戦ってもきさまに勝機は絶対にないぞ?」


「それはこっちのセリフだ、あんたじゃ、俺は倒せないよ?」


「強がりを言いやがって、言葉で理解出来ないなら力でねじ伏せるのみ、お坊ちゃま、本当にやっていいんですね?」


「ボクに恥をかかせた報いだ、泣いて命乞いをしてくるまで痛めつけちゃって!」


「相変わらずお坊ちゃまは無理を言いなさる、我輩の本職は殺し屋なんですよ、まぁ仕事は仕事だ。」


ゾルーザは背中から刀を二本取り出して構えた。


「殺さないように痛たぶってやるが、手加減はしてやらんぞ、覚悟するんだな、小娘!」


「そうだ!」

「やっちまえ!」


「ふぐぐ!!」

(リュウカお姉さん!!)


「まずはその両腕を使えなくしてやる!オラァ!」


「させるわけないだろ。」


「何!?」


「このっ!」


俺は刃先を掴むと二本ともポッキリと折ってやった。


「嘘だよな…?」

「刀を折るなんて…?」


「どっどういうことだい…?」


「いくら半人だからとはいえありえん…?素手で刀を折るなど…?」


「もう終わりか?」


「だったらこれならどうだ!」


ゾルーザは懐から銃を取り出した。


「この距離からなら絶対に当たる!くらえ!」


「効かねぇよ!」


「爪で弾いただと!?このっ!このっ!」


「だから効かねぇって。」


「全部、弾きやがった…」


「おまえ、強キャラアピールしてるくせに、飛び道具使う時点で大したことないな?」


「調子に乗るなよ!奥の手をくらえ!」


今度は懐から手榴弾を投げてきた。 


「ゾルーザのバカ!殺すなって言ったのに!」


「木っ端微塵に吹き飛びやがれ!」


「返してやるよ、フゥッ!」


俺は息で爆弾を吹き返した。


「爆弾が戻って来た!?」


ゾルーザの後ろで爆弾は爆発した。


「ゴホッ、ゴホッ、ありえん…?」


「今度は俺の番だ、ウガアアッ!!」


「うぎぃ!」

(我輩が小娘ごときの威嚇にビビっているだと…?)


「おまえなんか一撃で終わらせてやる!」


「いつの間に!?グエエッ!!」


俺は回転するとゾルーザを尻尾で床が割れるぐらいの破壊力で叩きつけてやった。


「ふぅ、技名はドラゴン・テールって所かな。」


「なんて…化け物だ…ぐぇ…」


「あの伝説の殺し屋、ゾルーザをたっ倒しやがった!」

「この状況、やべえですよ!お坊ちゃま!」


「ボクは悪い夢でも見てるのか…?」


「逃げましょうぜ、お坊ちゃま!」

「あいつと戦っても勝機はねぇ!」


「そっそうだな!」


「逃がすか!」


«うわぁっ!?»


俺は大ジャンプして二階に上がった。


「なんてジャンプ力なんだ…?」


「あいつを倒したらアリアを開放する約束だろ?」


「うるさい!ボクに逆らいやがって、もう怒ったぞ!ナイフを貸せ!」


「はっはい!」


「アンナの妹だろうと関係ない!見せしめに殺してやる!」


ルズがナイフでアリアを刺そうとした!


「おまえは正真正銘のクズ野郎だ!!」


「ぶへぇ!!」


リュウカは目にも止まらぬ速さでルズの顔面を殴ってふっ飛ばして阻止した!


「ぼっボクの…美しい…顔面が…」


「お前達もああなりたくなかったら、とっとアリアを離せ!」


«ひっひい!»


大男二人はアリアを離すと階段を降りて行った。


「おっおい…ボクを見捨てて逃げる気か…」


「あばよ、もうあんたに付き合いきれないぜ!」

「こっちは殺されたくはねぇんだよ!」


「あいつら許さないぞ…お父様に言いつけてやるからな…?」


「アリア、大丈夫か!」


「ぐすっ、ぐすっ、怖かったよ…」


「だろうな、よく頑張ったぞ。」


「リュウカお姉ちゃん…」


アリアは震えながら俺の胸に抱きついて泣いた。


「散々、アリアをひどい目に合わせてくれたな?」


「なっなんだ…まだボクを殴るつもりか…?」


「ああ、そうしたいぐらいだ。」


「やりたければやればいい…だがお父様に頼んで、倍にして復讐してやるからな、覚えてろよ…」


「と思ったけどやめた、おまえみたいなクズなんか殴る価値もない。」


「何だと…?」


「そのかわり質問に答えてもらう。」


「質問だと…?」


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