第18話 ドラゴン娘、アリアを助けに行く。

「アンナ、今の話は本当なのか!アリアが誘拐されたって話は!」


「ええ…仲の良い友達と帰ってる最中に…突然、黒色のマントを着た男が現れて…一瞬でアリアを連れ去った…らしいの…」


「黒色のマントを着た男に…」


「そして店の扉に…これが挟まってたの…」


俺は渡された手紙を読んだ。


「我が名は殺し屋のゾルーザ、アリアという少女の命は預かった…返して欲しければ、リュウカという半人の娘一人で町外れにある古い洋館に一人で来い…詳しい場所はもう一つの紙に地図として描いておく…無論、ほかの誰かにこの事を話せば、少女の命はないと思え…」


「うぐっ、うぐっ、どうしてアリアが人質に…」


「落ち着いてくれ、俺が何とかする。」


「まっまさか…本気であなた一人で行くつもりなの…?」


「そりゃそうだろう。」


「駄目よ、罠に決まってる!あなた殺されるかもしれないのよ!」


「危険なのは重々承知だ。」


「アリアは私の妹、私が助けに行く!赤の他人のあなたは引っ込んでいて!」


「赤の他人なもんか!」


「えっ…?」


「アリアは俺の大事な友達だ。罠だろうが何だろうが絶対に助けに行く。」


「リュウカ…」


「アンナは家で待っててくれ。」


「私も一緒に助けに行く!」


「駄目だ。俺一人で来いって書いてある、これはアンナも来たら、その時点でアリアを殺すって意味だ。」


「そっそうか…」


「信じて待っててくれ、必ずアリアは無事に連れ帰ってくる。」


「約束して…お願いよ…」


「ああ、約束する。それで使いたいポーションがあるんだけど。」


「使いたいポーション…?」


俺はある効果を持つポーションを受け取ると店を出た。そして手紙の地図の描いてある町外れの古い洋館に辿り着いた。


「ご丁寧に扉が開いてやがる、いつでも入って来いって意味か。」


洋館の中に入った。


「来てやったぞ!」


「ちゃんと一人で来たみたいだね。半人の娘、いや、リュウカ君。」


二階にルズが居た。


「やっぱり黒幕はおまえだったか…」


「おや、まるで勘づいてたみたいなセリフだね。」


「おまえは悪役としてテンプレなんだよ!それよりアリアは無事なんだろうな!どこに隠しやがった!」


「ここにいるさ、連れてこい。」


「へい。」


「むぐぐっ。」


子分の大男の一人が連れてきたアリアは両腕を縛られていて、さらに目隠しと口まで布で塞がれていた!


「アリア!!」


「おっと、ここまで来ようとか考えるなよ?」


「そうだぜ?」


もう一人の大男がアリアの首にナイフを向けた。


「やっやめろ!!」


「安心しなよ、流石に殺しまではしないさ。君にはボクが用意した相手と戦ってもらいたんだ。」


「わかってる、ゾルーザって殺し屋だろ!俺がそいつと戦って倒したら、すぐにアリアを開放しろ、いいな!」


「アハハハッ、だってさ、ゾルーザ?この半人の娘は君を倒す気満々みたいだよ?」


「我輩も舐められたものだ。」


すると黒いマントを着た奴が姿を現した。


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