第3話 完全なドラゴンになったら空も飛べる
「ドラゴンになれるのか、それは興味あるな。やってみてもいいですか?」
《もちろん。お好きなように。》
「じゃあ、ドラゴンモード、オン!ぐおおっ。」
俺の視界は見る見るうちに高くなり、ついには森から頭が突き抜けた。
「ウガアアッ!」
《どうですか?完全なドラゴンになったご感想は?》
「うーん、どう言えばいいんですかね?悪くは無いんですけど、どうせなら今の自分の姿も見たいな?」
《わかりました。ならばわたくしから見たあなたの姿をテレパシーで見せてあげましょう。》
まるで俺自身が見ているように完全なドラゴンになった自分の姿が見れた。
《いかがですか?》
「おぉー!かっこいい!本当にドラゴンだ!」
《今の状態なら、翼で空も飛べますよ?》
「あれっ?人型の時も翼ありましたよね?」
《あはは、あれだけは飾りなんです。取り外しも可能ですよ。》
「まさかの飾りですか…まぁいいや。」
俺は翼をはためかせて空をビュンッビュンッと飛んだ。
「うひゃぁー!最高ー!空が飛べるなんて、ゲームやアニメの話だけだと思ってたー!でも現実に飛んでるんだー!なんて開放感だー!」
《どうです。ドラゴンになってよかったでしょう?》
「撤回しますよー!ドラゴン最高ー!」
しばらく飛び続けて満足した後、地上に降りようと着地するポイントを探した。
「転生した森から随分と離れた場所に来たな、地上に降りたら人が住んでる村か町でも探さなくちゃ、転生する前は俺は男だったとはいえ、今は絶世の美少女だ、野宿はさせたくないもんな、出来ればちゃんとした宿で寝かせてあげたい。なんか自分なのに変だよな。」
《恋人を大事にしてるみたいですね。》
「恋人って。まぁ、こんな子が彼女だったら何だって頑張れちゃう気がしますけどね。」
《ふっふ。いい宿に泊まらせてあげてください。お金ならお財布にこの世界の通貨、金貨一万枚ありますから。》
「なんかやばそう…ちなみに金貨一枚ってにほん円だといくらの価値があるんですか…?」
《あなたが居た国での価値だと一枚、一万円ですよ。》
「ってことは…一十百千万…いっ一億!?」
《それがどうかしましたか?》
「前世、高校生のオレが持っていい額じゃないですってば!」
《前世で良いことしたんですから。当たり前ですよ。》
「そうですか…?」
《宿が決まったら、どこか動ける広い場所に移動して、人型と今のドラゴンモードの基本戦闘方法を教えて差し上げますね。》
「ついにですか。わかりました。」
《そしてわたしくのお役はそれまでとなります。後は好きに転生したこの世界をあなたなりにエンジョイしてください。》
「はい。本当にありがとうございました。」
《まだお礼を言うには早いですよ。》
「それもそうでしたね。」
“きゃぁぁ!!”
すると次の瞬間、地上から女の子の叫び声が聞こえた!
「今の叫び声はただ事じゃない!どこからしたんだ!」
《いました!右下を見てください!》
「あれか!」
森の中で小学生ぐらいの女の子が熊に襲われそうになっているのが見えた!
「ガルルッ!」
「ひぃっ!」
「今、助けてあげるからね!」
《待ってください。流石に完全なドラゴンのままでは女の子まで怖がらせてしまうかもしれません。》
「そっそれもそうですね!どこか近くに降りて姿を戻します!」
《急ぎましょう!》
「はい!」
俺がドラゴン娘に転生して、初めての人助けだ。
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