第2話 ドラゴン娘とかの前に超絶の美少女。

《そういう意味じゃない?最強にしてほしいって生物としてじゃなかったんですか?》


「俺が言ったのは膨大な魔力を持ってるとか、頭で考えただけでオリジナルの魔術が出せるとか、強いチートスキルをくれるとかそんなんですよ…それがまさかドラゴン娘になるなんて、予想してませんでした。まぁある意味、最強のキャラ属性がついたわけですが。」


《あはは、勘違いしちゃいました。》


「笑い事じゃありませんってば、トホホ…」


《でっでも安心してください。ドラゴンはその世界で最強の生物、さっき仰った要望は全て叶いますよ。》


「えっ?全てですか?」


《はい。それに見た目はお望み通り、人間の美少女がベースですし、用は角と尻尾があるだけですから。後、翼も。》


「何、翼まであるんですか!?」


俺は背中に手を伸ばすと、確かにそれらしきものがあった。


「あはは、こりゃ属性の大盤振る舞いですね…自分が一体、どんな姿してるのか、見てみたいぐらいですよ…」


《ぜひ、見てみてください。アイテム・ボックスの中に鏡がありますから。》


「アイテムボックスって概念があるんですか?」


《ありますよ。まずはコマンドを開いてください。》


「コマンドまであるとは、どうやってですか?」


《開け、コマンド!って言うだけです。》


「そこだけ妙に原始的ですね…?まぁいいや、開け、コマンド!」


すると目の前に大きなコマンド選択が現れた。


○ステータス確認、変更。

○アイテム・ボックス。

○ドラゴンモード。

○案内音声つきマップ。

○お財布。


「すげえ、本当に出てきたよ。ゲームみたいで、ちょっと興奮したかも。」


《ちゃんと表示されたみたいですね。ではアイテム・ボックスという文字を押してください。》


「こうですか?」


するとアイテム・ボックスが現れた。


「本物だよ、かっけぇ。あれっ?だけど中は空っぽだ、というか暗い?」


《欲しいものを思い浮かべながら両手を入れてください。》


「なんかどっかで聞いたことありますね、それ…」


俺は言われた通りに箱の中に手を入れると、姿見鏡が出てきた。


《さぁ、転生した今の自分の姿を見てください。》


「ゴクッ、いよいよか、俺はどんな姿になったんだ…?」


恐る恐る鏡を覗き込んだ、すると…


「なっ…」


《その反応、あまり気に入りませんでした?》


「いえ、その逆です…絶世の美少女すぎて…」


《なるほど、見惚れちゃいましたか。》


「俺、こんな子と前の世界で出会ってたら、確実に一目惚れしてますよ…それが俺自身だなんて、とても信じられない…」


俺が転生した姿は、思った通り、胸が大きくモデル並みのスタイルに青い瞳、輝く銀髪のセミロング、完璧に整った顔立ちで、想像していた数億倍、美少女だった。


《角と尻尾と翼はどうですか、気になりますか?》


「いや、全然、気にならないですね…むしろ、この顔に合っている…美少女コスプレーヤーみたい…」


《よかった。納得してもらえたみたいですね。》


「正直、ずっと見ていられますね…この世界に俺より美少女なんて存在しないだろう…」


《初っ端からナルシストになっちゃってますね。》


「はっ!危ない、危ない、このまま見てたら、いつまでもここから動けない!鏡で見るのはこのくらいにした方がいいですね!どうやったらアイテム・ボックスに戻せますか?」


《戻っていいよ。って言えば戻ります。》


「原始的ですね…戻っていいよ。」


鏡は箱の中に戻った。


「そういえば、コマンドにあるステータスまではわかるんですが、このドラゴンモードってなんですか?」


《それを押すとですね。今は人型ですが、完全なドラゴンの姿になれるんです。》


「完全なドラゴンに!?」



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