第2話 【異世界らしい】
気がつくと、森の中にいた。森の木々の隙間から、遠くに中世ヨーロッパ風の建物が見える。間違いない、異世界に来たのだろう····
(まずは女神様からもらった能力の確認をしてみるか)
「えーっと、《ストレージ・オープン》とかで良いのかな?」
《ピロリン!》
馴染みのある音がした。WoWの起動音だ。
すると、目の前にメニュー画面のようなものが出てくる。
「まずは·····これとか」
『近隣のエリアをスキャン中·····ミニマップを表示します。
右手を前方に出し、広げて下さい』
言われたとおりに右手を出す。すると手の上に付近の地形を映したミニマップが生成された
「おぉ! これは便利!」
「次は·····やっぱり!
出来るだろうとは思ってたけどこんなものも出せるのか!」
メニュー画面から❲WEAPON❳の欄を選択すると、WoWで馴染みある装備品の名前がズラッと並んでいる。
(とりあえずはコンバットナイフと····G36C!ゲーム内ではよく使ってたけど実物は初めて見るな〜!)
とりあえずこの2つを出してみる。
「――っと!?
ちょ、重すぎ!」
そう。冒頭にも話した通り、俺は廃ゲーマーである。アサルトライフルを持ち歩ける筋力などあるはずもないのだ
「筋トレもしないといけないな····…
今は持ち歩けそうもないしG36Cは戻して·····」
渋々アサルトライフル《G36C》はストレージの中に戻し、筋力がつくまでのお供は軽く扱いやすいことで定評のあるGlock17を選んだ。
あとは装填済みのマガジンを4本と、服装も変えたいのでデータの中にあった軍用の迷彩ジャケットにパンツ、ハイキング用のブーツとグローブも出した。
「一旦はこんなものかな?あとは車両や航空機なんかも出せるのか····車両はともかく航空機は使うことなんてないような気もするが·····出せるに越したことはないか」
そして、少し気になった❲ItemBox❳の欄を選んでみる。しかし·····アイテム欄には何も書かれていない。
もしやと思い、近くにあった木の枝を手に持ち、スクリーンの端にある袋のマークのところにかざしてみると木の枝が手元から消え、アイテム欄には木の枝(1)と書かれていた。
恐らく、これは“こちらの世界“の物を収納出来る収納箱のようなものなのだろう
「じゃあこれならどうなんだ?」
近くを這っていた何かの幼虫を手に取り、先程の木の枝と同じようにかざしてみる。
しかし、何も起こらなかった。
まだ詳細はわからないが、この収納箱に生物を入れることはできないのだろう。
なぜだか少しホッとした―――
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