最終章 弁護士に頼ったプロデューサー
私がNのもとを去って、数ヶ月が経過した時、Nの代理人弁護士から通知書が届きました。
それは、SNSやホームページに必要なIDやパスワードが共有されていないことで情報発信ができないことと、舞台公演直前に失踪したことで当日トラブル続きになったことに対して、損害賠償を考えているという内容でした。また、SNSやホームページに必要な情報を開示しないと、PCやスマホは返却できない、というのが相手方の言い分でした。
スマホ内にIDやパスワードの情報がメモしてあるため、スマホを返却したら即対応する旨をFAXで伝えました。
しかし、その後に届いた通知には、「事務所で対応をしてください」と書かれていました。つまりNは、「私の目の前で対応しろ」と言うのです。一般企業でも、パワハラで退職した社員を、もう一度会社に来させて相手方と顔を合わせるようなことはしません。Nは、ある意味常識外れなところが多いと、改めて感じました。
正直、私が開設したSNSやホームページは、裏方の仕事を一手に引き受けてから作り直したものです。以前は、また別のアカウントやホームページがあったようですが、私は一切引継ぎの情報を知らないので、新しく作り直したという経緯があります。
こちらの言い分としては、「また新しく作り直せば良いだけの話じゃないか」と家族とも話していました。現に、既に新しくSNSアカウントを開設していたことに、私は気づいてしまいました。
弁護士から届いた2度目の通知には、SNSやホームページの情報が共有されていないから春の舞台公演の準備ができない、という内容でした。一貫して、こちらは「新しくアカウントを作れば良い」と思っていました。また、舞台公演の準備ができないことに対しての損害賠償も考えていることも通知書に記載が。
SNSやホームページは新しく作り直せば良いということを返信しようとしていた矢先、私は知人のSNS投稿を見て仰天。
あれだけ私一人を悪者にして、春の舞台公演ができないことで損害賠償を考えていると勧告をしておきながら、何とその舞台公演の告知を、出演する知り合いがSNSにアップしていたのです。私だけでなく、家族まで目が点になりました。
「舞台公演、できないんじゃなかったの?」苛立ちを通り越して、思わず呆れていました。
SNSやホームページを新しく作り直せば良いという提案、舞台公演ができないと言っておきながら公演を実施していることは虚偽報告ではないかという指摘、未払いとなっている経費等があるという報告、PCとスマホの返却要望、これらを代理人弁護士宛にFAXしたのがちょうど1ヶ月前。あれから、何の音沙汰もありません。
反論の余地がないならば、素直にPCとスマホの返却に応じれば良いのに。
経費や未払いの借金を返せる資本がないのでしょう。あれほど言いたい放題言って私を脅してきたのに、ここに来て何も言い返せない状態に陥って、焦っているのでしょう。
ざまあみろ。
法律が無かったら抹殺しているかもしれませんが、そこはグッと堪えて……。
まずはPCとスマホを直ちに返却し、経費と借金を返していただきたいものです。
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