第1章 パワハラ祭りのプロデューサー

脚本家として、言葉を武器に仕事をしている私にとって、暴言ほど精神的ストレスになるものはありません。

「言葉は武器にもなるし、凶器にもなる」が私の持論なのですが、この記録における敵であるプロデューサー・Nは、まさに言葉を凶器にしていました。


「上辺だけの謝罪なんて、小学生でもしない」

「小学生からやり直せ」

「お前は、障がい者かよ」

「日本語わかってる?」

「お前の目が気に入らない」

「お前の顔が気持ち悪い。ねずみ男みたいだ」

「誰もお前のことなんて信用していない」

「何でお前みたいなやつが生きてるんだ」

「お前を海に沈めることぐらい簡単なんだ」

「首くくれよ」

「お前とかかわるとロクなことがない。お前が関わるようになってから売り上げが落ちた。お前は貧乏神だ」

「お前は、客も呼べないようなキャストを紹介してきたのか」

「紹介してきたキャスト、あれ、お前の愛人か?」

「お前の父親は、他に愛人を作っている」

「お前の母親は、ギャンブルをやっていて、元ヤンだ」

「お前の友達にはロクなやつがいない」

「あいつに私の悪口吹っ掛けただろ」


これらは全て、Nが私に浴びせた暴言です。これらの言葉、録音したわけでも、メモをしたわけでもありません。全て、私の記憶ではっきりと覚えているものです。

Nとは、ある舞台公演の仕事で一緒になったのですが、これらの言葉は全て準備の間に言われた言葉です。最初は私が初歩的なミスをしたことでNを怒らせてしまったからだと、自分自身に責任を感じていました。しかし今振り返ってみると、これはパワハラ以外の何物でもなかったのだと思います。

上記の言葉を見てのとおり、人権侵害や脅しともとれる罵声の数々。中には何の根拠もない暴言や言いがかりもあります。正直、百歩譲って私のことはどう言われても構いませんでした。しかし、家族や友人、知人であるキャストのことを悪く言われたことに、私は立腹しました。


他にも、書類で顔を叩かれたことがありました。反動で、私の眼鏡が吹っ飛びました。ちなみにその時には、「直接手は触れてないからな」という意味不明な言い訳をしていました。

また、座っている私の椅子を蹴ってきて、「椅子を蹴っただけで、お前は蹴ってないからな」と、これまた意味不明な言い訳をしてきたこともあれば、書類をばら撒いて「お前が拾え」と強要してきたこともありました。


仕事の中でいきなりブチ切れたり、情緒不安定になり、感情の起伏が激しいことは以前からありましたが、その都度「更年期だから」「血圧が高いから」と持病を言い訳にしていました。全く、自分の非を認めることはありませんでした。

Nが体調不良になった時は、プロデューサー経験のない私が業務を代行することもありました。しかし逆に私が体調不良になると、「気が緩んでる証拠だ」「緊張感がないからだ」と咎められることも多々ありました。自分の都合でしか物事を考えないような女なのです。

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