【完結】君の声に恋をして

第4話 愛を伝えたいだとか

初夏のある日、キャンパスには爽やかな風が吹いていた。清原涼音は、翔太に対する気持ちを抑えきれなくなっていた。彼女は自分の感情をどう伝えるべきか悩んでいたが、ついに決意を固めた。

涼音は親友の友美に相談した。「友美、私、翔太さんに告白しようと思うの。」

友美は驚きながらも、すぐに笑顔を見せた。「ついにその時が来たのね！応援するわ。でも、どうやって告白するの？」

「実は、『愛を伝えたいだとか』を歌いながら伝えようと思ってるの。」涼音は少し照れくさそうに答えた。

友美はそのアイデアに大興奮。「それは素敵！絶対にうまくいくわ！」

その夜、涼音はキャンパスの小さな野外ステージで練習を始めた。彼女は心を込めて「愛を伝えたいだとか」を歌い、その気持ちを歌に乗せて伝えようと決めていた。

一方、翔太は建築の図面を広げながら、涼音のことを考えていた。彼女との時間がどれだけ特別かを感じるたびに、胸が高鳴るのを抑えきれなかった。

その日、友美と大和は涼音のステージを見守りながら、自分たちの気持ちについて話していた。

「大和、私たちもそろそろちゃんと話さなきゃね。」友美が切り出した。

「そうだな、友美。実は俺も同じことを考えてたんだ。」大和は真剣な表情で答えた。

涼音のステージが始まると、翔太は友美から誘われて会場にやって来た。彼は何も知らず、ただ涼音の歌を聴くためにそこにいた。

涼音はステージに立ち、深呼吸をしてマイクを握りしめた。「皆さん、今日は私の気持ちを込めて、この歌を歌います。『愛を伝えたいだとか』」

音楽が流れ始め、涼音の澄んだ声が夜空に響いた。彼女の歌声に乗せられた感情が、まるで魔法のように翔太の心に届いた。

「涼音、君の歌声がこんなに心に響くなんて……」翔太は心の中でつぶやいた。

涼音は歌い終えると、ステージから降りてきて翔太の前に立った。「翔太さん、実はずっと伝えたいことがあったの。私は、あなたが好きです。」

翔太は驚きと喜びが入り混じった表情で、涼音を見つめた。「涼音さん、実は僕も同じ気持ちだったんだ。君のことがずっと好きだった。」

二人は微笑みながらお互いの手を取り、その瞬間から彼らの恋が始まった。

その様子を見ていた友美は大和に微笑んだ。「大和、私もあなたのことが好きよ。」

大和は友美の手を取り、深い感情を込めて答えた。「友美、俺もだ。これからもずっと一緒にいよう。」

その瞬間、大輝はカメラを構えてシャッターを切った。「完璧な瞬間だな。これは最高の写真展になるぞ。」

その夜、涼音と翔太、友美と大和は、新しい恋の始まりを祝いながら、未来への希望を胸に秘めた。彼らの関係が深まり、互いの夢を支え合う新たな章が始まった。