第26話
次の日。アクセサリーが出来たと連絡があったので鍛冶屋に向かう。すると、
ガッシャーン!!
「邪魔だ、出ていきな」
「テメェ…!オレを誰だと思ってんだゴラァ!!」
デジャヴ?鍛冶屋にいたのはイルマとか言う奴だった。その前にいるのはローグさん。何か揉めているようだ。
「お前、またかよ」
「テメェは…!ちょうどいい!殺す!」
「何でだよ」
面倒だな。また、適当に追い払うか。ふと、イルマの視線がウィルに向かう。下衆な視線だ。舌舐めずりしている。ウィルを庇うように視線から隠す。
「へぇ…。そこのお前、中々良いじゃねぇか。いいぜ、オレの女にしてやるよ」
「ひっ!、い、嫌…です…」
前言撤回。よし、殺そう。ウィルを怯えさせたコイツに慈悲は無い。氷漬けにして、八つ裂きにしてやる!イルマと睨み合っていると、
「オラァ!店先で暴れんなクソが!」
「グヘァ!?」
ローグさんがイルマを殴り飛ばした。数m飛んで地面に激突した。
「ったく!お前さんみたいなゴミに作る武器は無いよ!とっとと帰れや!」
「テメェら…!揃いも揃ってオレをコケにしやがって…!オレを誰だと思ってんだ!!ミカナの町の英雄だぞ!!」
「生憎、この街は英雄が多いんでな。お前みたいな小物は知らねーよ」
「小物…?小物だと?いいぜテメェ等はここで殺す!《解放》!」
するとイルマの身体から光が漏れる。急速に身体が膨れ上がる。
「!?これは…」
「シーくん!不味いよ!」
「ウオォォォォォォォォォォ!!!」
「《氷槍》!」
咄嗟に《氷槍》を放つ。バキン!イルマに当たり砕けた。硬いな。
「コイツ、オーガか?」
全長は、僕の3倍程。筋骨隆々の肉体。黒色の体表。頭には角が生えており、口元には牙が生えている。
「変身魔法か?奇妙な魔法使いやがる」
ローグさんが舌打ちしながら、答えてくれる。変身魔法か。初めて見たな。こんな状況じゃなければ、素直に凄いって思えたんだけどな。
「ガァァ…!コロス…コロス」
うわ言のように呟いている。理性に期待は出来なさそうだ。
「コイツは僕が何とかします。ローグさんは避難を!」
「私もいるよ!」
「そうだねウィル。僕達でだ」
「もちろんだよ!シーくん!」
「馬鹿言うな。ここは親父の店だ。俺が守るに決まっているだろ」
ローグさんはやる気満々だ。ゴキゴキと指を鳴らしている。目には怒りが溢れている。これは、言っても止まらなそうだ。
「分かりました。まずは、コイツを別の場所に誘導しましょう!ここだと、お店に当たってしまう!」
「おう。任せときな」
「ガァァ!」
「おら、こっちだよ!鬼さんこちら、手の鳴る方へってな!」
「着いてこい!向こうで決着つけてやる!」
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