第7話【ぶっ飛べ】



【訓練と鍛錬、目的は制御のため】

 テラが帰った後、魔導銃の訓練をさせられた。

 能力を制御して適切な威力を出すため、毎日毎日訓練を重ねた。

 訓練が3ヶ月ほど続いた頃、俺は確実にコツを掴んだ。


 それは曇った朝のことだった。

 俺は「どうせ上手くいかない」と思いながら訓練場へ赴き、練習用の魔導銃で的を狙い、撃った。

 的の左寄りの中心にそれは命中し、綺麗に貫通していたが、まぐれだろうと思った。

 先程みたいにあまり体に力を入れず、自然の音に意識を向けて息を吐きながら撃つと、的に当たる位置や威力にブレがあるが、それでも制御のコツが多少は掴めたようだ。









 


―――――――――――――――――――――

 すべて、すべて私のせいだ。

根拠の無い自信を持ってしまった私のせいだ。

―――――――――――――――――――――


 






 




 


【海の魔王の目覚め】

 日々が続き、1年ほど経った頃だ。

 ギルド本部の一階、ずらりと仲間が並ぶ。

もちろん俺もその中にいるが、表情が険しい。

「海の魔王が目覚めたらしい、これから封印のため、船に乗ることになるだろう。」

 オーディンも、険しい表情で言う。

 王都の船着き場に行くと、そこには大きな帆船が何隻も停泊していた。


 目的地へ行くまでの間、俺は自己嫌悪に陥ってしまった。

 脇役がいきがるな、主役様の引き立て役になれ、敵の糧になれ。

 そんな言葉が脳内をぐるぐると巡っている。

 前世の俺は、被害妄想じみた自己嫌悪に陥りやすい性格をしていた。

 今は何故かそれが顕著に出ていて、頭が痛くなる。

 海は荒れ、風が唸る。


 船は大きく揺れ、波が俺たちを飲み込んだ。

 終わりだもう終わりだ、終わってしまえこんな世界。



――続く

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