第12話 沖縄旅行2日目 前半
2日目は朝から小浜島に渡った。
着いた後、港の周辺にはほとんど何もなく、正直に言うと狼狽えた。
失敗した、というのが最初の印象であった。
グーグルマップで調べてみると徒歩5分くらいのところに砂浜があるらしいので向かうことにした。
少し歩いた後、目的地にはどう考えても5分で着かなそうな砂浜が遠くで見つかった。
気温は昨日と同様かなり高く、彼女をみるとあからさまに歩くのが嫌そうだった。
二人は歩みを止めた。
私がレンタサイクルを提案したところ、この暑さでは難しいとのことであった。
彼女自身の身体もあるが、お腹の子供もいるので無理は出来ない。
となると、「どこにも行かない」or「レンタカーを使う」の二択であった。そして、ここまで来ておいて何処にもいかないはありえないので実質選択肢はレンタカーの一択となった。
私は車を20年以上運転していない。
交通量が少ないとしても不安しかなかった。
レンタカー屋さんには、一番古い車をお願いた。
ドライブ、ブレーキ、サイドブレーキ、バックの方法を教えてもらった後、私達は恐る恐るドライブを開始した。
レンタカー屋さんにお勧めされたプランに素直に従うことにしたため、最初は島の中央の展望台に行ったが、駐車場から徒歩15分位かかるということで、スキップとなった。
次は砂浜に向かった。
途中、道を間違えて全く人気の無い細い道に入っていってしまった。
そして曲がり道を曲がったところ、とても大きい二羽の鳥が道の真ん中にいた。
私達はびっくりして大きな声をあげた。
あちらも突然の車の登場にびっくりしたようで直ぐに飛び去ってしまった。
尾が長くとても優雅な鳥であった。
どう考えても自分が見てしまった鳥はクジャクにしかみえなかった。
まさか沖縄に野生のクジャクが生息しているとは思えなかったが、しかしどう考えてもクジャクであった。
後から知ることになるが、当然なのだが沖縄というか小浜島には元々クジャクはいない。観賞用のクジャクが逃亡し、外来種として繁殖しているとのことだった。
スマホのカメラを急いで起動したが、クジャクは二度と私たちの前にはこれ以降現れなかった。
これが今回の旅行で一番貴重で感動した出来事である。
この出来事は複数のたまたまが重ならなかったら体験できなかった。
1つ目は、当初はそもそも小浜島に行くつもりはなかった。別のツアーに申し込んでいたのだが、ツアー自体が開催されなくなったため次の選択肢として小浜島が浮かんできた。
次に車のレンタカーを選択し、そして私の勘違いにより間違った道に入りこまなければ、クジャクのいる道に入りこまなかった。
少なくとも私はこの記憶を数十年は忘れることは無いだろう。
彼女もこの偶然の出来事はとても良かったといっている。
長くなりそうなので今回はここらへんで止めておくことにする。
上記の理由で私は小浜島に訪れる事をお勧めするが、クジャクに遭遇できる保証はない。
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