第19話私たちも100年前の流行とか知らないことの方が多いし、、、ねえ?

気を取り直して週末。

来月に迫った夏祭りへの出店のための申請を行うためにも、作るなら早いうちに新しいメニューを作らないといけない。今日は設備点検のためにお店は臨時休業ということで、さくらさん、大地さん、俺と、さくらさんに呼ばれてやってきた四季神さんの4人で話し合ったりしようということになった。


「せっかくだったら、話題になるっていうか、これから流行る!!みたいなやつ作って、話題をかっさらいたいよね~」

さくらさんがそんなことを言い出したと思えば、何かに気づいたように立て続けに言ってきた。


「そういえば、桜木くん未来人じゃん!!これから何流行るの?なんかこう、、、派手なやつ!!」


「やっぱそう来たか、、、」

流行りが~とか言い出していたあたりから、こうなる気はしていたが。


「そうは言ってもなあ、、、」

未来は未来でも100年後の未来から来ているのだ。正直、この時代の流行とかまでは知らない。


「まあまあ。さくらちゃん、翼君は未来は未来でも100年後の未来から来てるんですから、この時代の流行まで把握していないかもしれませんよ」

悩む俺に四季神さんがフォローを入れてくれた。


「それはそうか、、確かに、つばさく、、、え、翼君?!」

さくらさんが何かに驚いたように固まってしまった。四季神さんのフォローは、かえって状況を悪くしてしまったようだった。


「さくらさん、一体何が、、、あっ」

俺はその理由に気づいてしまった。まだ名前呼びされるようになった事を説明していなかったのだ。


「どうかしたの?さくらちゃ、、、あっ」

四季神さんも自分のミスに気づいたようだ。


「そ、そんなことより、新メニューを、、、」


「いや、今はそれどころじゃないよ!!これどういうこと?!」

正直適当に話しそらせばごまかせると思っていたが、さくらさんにそれを許してくれる気配は無かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る