第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】(二十句連作部門)

ネコ?

書架あるいは本

紙ごみの山に赤本春日和


ゲイバーの隣は本屋桃の花


脚注の多き歴史書かげろへる


教科書の硬き文体風光る


締切は今晩八時朧月


料理本ばかりの蔵書母の日来


ランボオの詩集は形見父の日来


組み立てし書棚の軋みレモン水


歳時記と句帳と翼と夏帽子


恐竜の図鑑の下に蟻がいた


古書店の黴の香りのチーズかな


美男子を飼ふ漫画読む霧時雨


下手人を知りて捲るや星月夜


秋澄むやジャンプ読むため行く蕎麦屋


校正の赤ペン忙し木犀香


黒パンにセルリのサラダ歌集読む


人参の味は深遠ニイチェ積む


念校に誤字見つけたる聖夜かな


月冴えて書架にグリムの精神科


仏壇に校了告げしお元日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】(二十句連作部門) ネコ? @tanaka0045

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画