18 テレビの沈黙



 わたくし、連日猛暑日の夏休み期間に、家庭で吠えまくってしまいましたの。


 なんというか、大人も子どもも約束を守れなかったり、メリハリをつけることが出来なかったりで、誰が悪いなんてことはないのですよ。

 ええ、もちろんこれまで怒ることは何度かありましたよ。

 だけど心の何処かでテレビさんに甘えていてねえ。

 とはいえ、怒っているときの脳内では、バットを握ってテレビ画面をぶち壊している自分を想像していますことよ。

 でもねえ、今回の出来事は、5年くらい悩んだ末の奇行に及んだと思っていただければ、こちらとしてもありがたいことですわ。


 いま我が家ではテレビは何も映りませんのよ。

 もちろん、バットで殴るようなことはしてませんから、コンセントを抜いて、電池を抜いたリモコンを隠してありますのよ。

 ちょうど1か月経ったくらいですかね。


 はじめの1週間くらいは、子どもはもちろんテレビを見たいし、大人も情報源として見たい欲望との闘いですわ。

 仕事柄、災害など起きそうか、起きたときは見たいところですのよ。

 (信じにくいかもしれませんが、これでも真面目に仕事に励んでおりますの)

 ちょうど8月の終わりに台風殿が長居してくれましてね、なかなかに苦労しましたわ。


 でもね、今回は譲れない闘いなの。


 ただ、偶然の出会いによる情報との出会いということも理解していますわ。

 知らぬ間にテニスがどんなスポーツか知っていたり、危険生物に詳しくなっていたり、訊けば「テレビでやってた」と言うじゃありませんか。

 このような意味では、わたくしは、知る機会を失わせる行為をしているに違いありませんの。

 由々しき事態ですわ……!


 考え悩んだ末に、ひとつの妙案に辿り着きまして、みなさんご存じだと思うのだけど『子ども新聞』ってやつ。

 そうそう子ども向けの新聞で振り仮名がしっかりとついていますの。

 さっそくお試しを申し込んだら、あっさりと入手できましたわ。

 文字も読みやすく、振り仮名もばっちりでしたのよ。


 新聞社によって、発行頻度や売りのキャラクターが異なっていまして、絶賛、選定中よ。子どもの好みもあるし、難しい選択ね。


 ひとつ難点もございまして、想像に容易いわ。

 子どもは、乗り気ではないの。まあ当然と言えば当然よね。

 その気持ち、わかるわ。


 親の立場として発言いたしますと、子どもをどうやって乗り気にさせるかが喫緊の課題ってところですの。

 ご報告できるタイミングが来ましたら、改めてご報告いたしますわ。



 慣れない文体は使わない方がいいと肝に銘じ、お付き合いありがとうございました。



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