2 空飛ぶ馬/北村 薫
北村 薫大先生は、霜月の初恋の人であり、神であり、ミューズである。
熱烈なファン歴を記してしまうと、概ねの年齢が推測できてしまうので、割愛する。少しミステリアスなくらいが魅力的に映るから、ね?
『空飛ぶ馬』は、霜月を読書家へと変貌させた運命の1冊だ。
瞬く間に『円紫さん』の虜になり、北村 薫先生に囚われた。
当時は、覆面作家であられたのだから、そのミステリアスがトッピングされて、一気に『推しオブ推し』となった。
では、霜月がどうやって北村先生の『空飛ぶ馬』に出会うことになったのか? 気になるでしょう? そんなことはないって? まぁ、気を確かに。
幼い霜月は、かなり恵まれた地域に住んでいて、移動図書もあったし、引っ越した先では、自転車で少し行ったところに、広くて蔵書がたんまりの市立図書館に通っていた。
(今、住んでるとこの市立図書館の蔵書の少なさよ……、おっと愚痴はいけねぇな)
ある時、出会ってしまったのだ。
加納 朋子先生の『魔法飛行』に。(えっ?)
今でも忘れない。メリーゴーランドの馬に赤いコートを着た少女の装丁の文庫版。(どうやら、今は装丁が変わっているよう)
うん十年ぶりに図書館で初版本を借り、あとがきを見て、驚き、笑うしかできなかった。
有栖川 有栖先生が書いているという豪華さよ。
初版本のあとがきを読んだことのある人は、もう謎は解けてしまっていると思うのだけれど、有栖川 有栖先生の有難いお言葉の中に、北村 薫先生と『空飛ぶ馬』が登場する。
こうして、幼い霜月は、北村 薫先生と出会う。(図書館に感謝!)
それからというもの、図書館にある全ての北村 薫作品をとにかく読み漁った。
今でも本屋で『北村』の文字を見かけると、先生の新作かっ!? と、確認する始末で、もっと大袈裟に表現すると、北村 薫先生とひとこと会話してから死にたいくらいだ。よもやストーカーに近い。
文壇のめくるめく日々に嫉妬したこともあるのだけど、それは別の回で話をしようと思う。
ちなみに、霜月は就職活動の最終面接で、北村 薫先生への愛を語って内定を勝ち取ったことを、簡単にお伝えしておく。
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