第3話 なんか若返って転移した氏真さん
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ここから今川氏真の異世界生活が始まります!!
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「ん……ここ、どこだ?」
目が覚めると、森の中だった。
俺は仰向けになっていて、風に揺れる木々の枝葉を見上げていた。
「おいおい、
がばり、と起き上がり、俺は周囲を見渡す。
やはり森の中だ。しかも、まったく夢ではない。
手のひらから伝わる草の感触、
これで夢なら、むしろ怖いぞ。
「ってか、なんか俺、若くないか?」
自分の手のひらや腕にシワが一切なく、ハリのある筋肉に覆われている。
着物の
ちなみに俺がちょっと太り始めたのは、今川家が滅んだことで、大名という身分ではなくなった頃だ。
戦国大名という重圧は凄まじく、あの頃はどれだけ食っても太れなかった。
それでも、他の運動不足な貴族に比べたら、かなり痩せていた方だが。
「いったいどうなっているんだ……んんっ?」
俺は自分のそばに転がっている刀に気づき、目を丸くした。
その刀の
「親父の刀、じゃねえか」
俺の親父、つまり海道一の弓取りと言われた大大名、
これはその義元公の愛刀であり、桶狭間の戦いの後は、信長、秀吉、家康と、天下人の腰に差された、まごうことなき
名刀、
「なんで左文字がここにあるんだよ」
俺は首をかしげつつも立ち上がり、刀を拾って抜いてみた。
まずは刃をじっくりながめて、それから2、3度振ってみる。
うん、刃の状態も重さも間違いない。本物だわ、コレ。
というか刃に映った自分の顔を見たけど、本当に20代前半に戻っている。
「まさか俺が親父の刀を受け継げなかったから、その見返りとして、
左文字は親父が殺された後、
信長 → 秀吉 → 家康 の順に持ち主が変わった刀だ。
やはり信長としても、あの今川義元を倒した戦利品、としてこの刀を気に入っていたらしい。
息子の俺としては、親父の死をひけらかされているようであまり良い気分ではなかったが……まあ、刀をどう誇ろうと他人に迷惑をかけなければ良いので、誰の手に渡ろうが知ったことではなかった。
「うーん、しゃあねえな。とりあえず歩いてみるか……もしこれが極楽浄土なら、先に逝ったお春に会えるかもしれねえし」
俺は左文字を腰に差し、歩き始めた。
ちなみにお春というのは当然、俺の奥さんだ。
本名はそのまま
周りからは『
「可愛くないから、ヤダ」
と言っていた。
で、お春は俺より2年早く亡くなっている。
もしここが極楽浄土なら、早くお春と合流したいもんだ。
ただしここが地獄なら、俺はお春に会えないだろうなあ。
だって、こんな俺でも戦国大名だった時期もある。
戦場では俺の指示一つで多くの敵味方が死んだし、今川滅亡後も何度か自分の手で殺生をした経験がある。もちろんそれも山賊などから自分や妻を守るためだったが、それでも人を斬ったことには変わりない。
根っからの善人なお春はともかく、旦那の俺はけっこう罪深いはずだ。
あとはそこらへんを、仏様がどう判断するかだよなあ。
「……お、やっと森を抜けたぜ」
そうこうしているうちに、俺は森の終端に着いた。
とりあえず遭難することなく森を抜けれて幸運だった。死後の世界で飢え死にするのかどうかは知らんが、まあ一安心だ。
「そんでもって、アレはなんだ?」
俺は眼下に広がる光景を見て、首を
今の俺がいる場所は、高い崖の上だ。
どうやらここは山奥のようで、今出てきた森も山の一部だったのだ。
で、その崖の下には……人里のようなものがある。
ようなもの、と形容したのは、ワケがある。
そこは藁でできた家や焚き火などがあり、一見すれば貧しい山村のように見えるのだが、
その山村の中を
「みんな顔は豚っぽいが、両足で歩いているし、手には武器を握っている……豚と人間の合いの子? 豚の妖怪? けっこう気持ち悪いな」
俺は崖の上から豚っぽい人間たちをながめて、顔をしかめた。
「いや、もしかして
そうそう、偏見は良くないよな。
ああいう見た目に生まれたせいで苦労しているかもしれないし、まずは対等な目線で話したほうが良いだろう。
俺がそう思いなおしたのも束の間、
「くっ、離しなさい!! この下郎め!」
鎧を着こんでいる若い女が、その豚人間たちに
豚人間たちは女に対して、ねばつくような嫌な笑みを浮かべている。
ああ、なるほど。
ああいう笑顔を浮かべる人間は、戦国の時代によくいた。
女子どもを食い物にする、薄汚れた性根の者たちだ。
「上等。どうせ死んだ身なら、命を賭けた人助けといこうか」
俺は左文字の
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第3話を読んでいただき、ありがとうございます!!
ここから今川氏真を、思う存分に異世界無双させていきます!!
ぶっとんだ設定だが、私は一向にかまわん!!早く氏真に無双させろ!!
強い氏真の描写が気になる!!次の話をはよ見せろ!!
と、思ってくださいましたら、
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鈴ノ村より
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