飾り屋ディアナ「その後」

(ルドルフのパフォーマンスのおかげで、ディアナとの噂は消えた。しかし……)


「今日の分だよ」

 レットが両腕を大きく広げて、手紙屋の受付デスクを埋め尽くしている箱をアピールした。

 すべての箱に、手紙の束がぎゅうぎゅう詰め込まれている。

(ファンレターも、ラブレターも、増えた!!)

 運びきれない量の手紙を見て、アトラスは棒立ちになっていた。

 箱が積まれているので、受付に立っているレットの顔が見えない。

 おそらくレットがいる方向に向かって、謝る。

「仕分け大変だったでしょう……? ごめんね……」

 レットの笑い声がした。

「ふふっ、手伝いたいって子がいたから、すぐ終わったよ」

 アトラスは表情を明るくした。

「そうなんだ! お礼を言いたいな。なんて名前?」

「それは秘密。シャイな子なんだ。知られたくないんだって」

 レットは出入り口の方を見つめる。


(あんなに人気があるなんて……)

 手紙屋のオフィスを出たウィンリーは、足早に次の仕事に向かっていた。

「さすがですね、案内屋アトラス」

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