青い目の案内屋「帰り道」

「幻影魔法が得意なリルって、心当たりある?」

 寮へ帰る道中、アトラスはルドルフに尋ねた。

「すごい完成度の異世界で……ハールの作った擬似フロンティアと同じくらいリアルなんだ。あんな魔法が使えるのって、相当の実力者だよ」

 ルドルフはちょっと鼻を上に向けた。

「ああ、それ、多分パパだ」

「パパ?」

「婚約者の父親」

 ルドルフがさらりと言うので、アトラスは聞き流しそうになった。

「へー」

 すぐに冷静になって、聞き返す。

「婚約者!? 君に? 妄想じゃなく? 」

「これまでの流れなかったみたいに疑い深いな!? 本当だよ。すごく綺麗な子なんだ」

「ふーん」

「アトラスも首席発表のとき会っただろ、飾り屋ディアナ」

「えっ?」




次回「飾り屋ディアナ」




 アトラスはもう一度聞き返した。

「えっ???」

「まだ疑う? 飾り屋トナカイ、イヴァンの一人娘、ディアナだよ!」



次回、「飾り屋ディアナ」に続く。

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