第2話 破滅フラグと侵入者
私は東の帝国こと雷帝国の左大臣の娘、
いましがた頭を強打したさい、自分が前世でプレイしていたゲームの処刑される悪役令嬢であることを思い出した。
悪役令嬢の私、
破滅フラグを回避するためには、
①戦争を起こさせないこと
②内乱を起こさせないこと
③それらが起きても処刑されないように立ち回ること
が考えられる。
この中で一番難しいのは①②に見えて、実は③である。
なぜなら私は宮廷内の女連中から非常に嫌われているからである。
そこまで酷いことをした覚えはないのだが、どういうわけか私は宮廷内でとても嫌われている。
まあ、多少正直すぎる性格のせいかもしれないが。
そこに左大臣の娘という目立ちやすい立場も相まって、悪い噂が広まってしまったのだろう。
もしかするとゲーム内の黎音も、噂が先走っていただけで極悪人というわけではなかったのかもしれない。
そんなことはさておき、現状はとりあえず「宮廷内で嫌われないように」を心がけつつ、本命の①「戦争を起こさせない」を採用し戦争を止めるために何ができるか考えよう。
ただ実は、先ほど確認したところゲーム内で戦争が始まる1025年1月1日まであと2, 3週間程度とかなり短いことも判明した。
さらに戦争の具体的原因もまだよくわからない。
ゲーム内ではその点について深く触れられていないのだ。
これはかなり厳しい状況である。一体どうするか……。
- - - - -
(三人称視点)
「おい、本当にここで合ってるのか」
「そのはずだ」
皆が寝静まった夜、グランディネ王国王宮近くの林で、怪しげな男2人はそう話していた。
緑の覆面と、赤の覆面を被った男だ。
目の前には、地下に続く薄暗い階段がある。
「どうしてこんなのがあるとわかったんだ」
「そりゃ雇い主に聞いてくれ」
「本当につながってんのかよ……王女の部屋に」
その地下通路は、王宮、それも王女の部屋への隠し通路だった。
「いくしかねえだろ。前金だけでこの量だぜ」
そういって緑の覆面男は帝国金貨の入った袋を見せる。
「バカ、なんで持って来ちゃったんだよ」
「嬉しすぎて」
「嬉しくても我慢しろよ……というか暗くて先がよく見えねぇな。邪魔だから覆面外していいか?」
そう言う赤の覆面男に、今度は緑の男が注意する。
「お前ロン毛で目立つんだから念のため隠しとけよ」
「大丈夫だって。暗いし俺ら黒髪だし、わかんねえよ」
「まったく……」
そんなことを言いながら、2人は地下の闇の中へと潜っていった。
その翌日、王宮内で王女が誘拐されていることが判明した。
■あとがき - - - - -
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