第27話 月一の報告

「国指定のダイバーの江波周斗です。」


俺が受付でそう言うと、すぐにビルの18階に通された。


「やぁ、江波君。

報告を聞かせてもらおうか?」


篠山さんが現れた。


「報告…と言っても…

動画もお見せして居ますし…


特に…」


「ふむ。

無い、と言う事かな?

では、こちらから一つだけ質問をしようじゃないか。

君のスキルは異世界ネットショップ、これで間違いないね?」


「あ、はい。」


今更かよ、と思ったが、口には出さない。


「我々はこう考えているのだよ。

もしも、異世界ネットショップで異界の物が召喚出来るのならば、魔油も召喚出来るのでは無いか?

とね。」


魔油を召喚!?

なるほど!

異世界の物だから、俺が魔油を召喚してもおかしくは無いって事か。


「いえ、今のところ魔油は召喚できません。

と言うか…

もし、俺が魔油を召喚できたら…

ダンジョン探索は中止になりますか?」


「いや、それは無いだろう。

あのダンジョンは謎めいた事が多くある。

最終階まで行き、真実を突き止めなければならない。

そんな気がするね。

それに、ダンジョンダイバーは重要な国の資金源でもある。

今となってはそう簡単にダンジョン探索を中止にはできまい。」


篠山さんはそう答えた。


少しホッとする俺。


「分かりました。

もしも、魔油が召喚できたら報告します。」


「あぁ、頼んだぞ。」


そして、月一の報告会は終わり、通帳を付け込むと、日本ダンジョン委員会から500万円が振り込まれていた。


や、やば…


ただでさえダンジョンで稼いでいるのに、これは追い風だ。

スキルフルーツを買えるかもしれない。


「よし、ジョーカー、マルシャ、地下ダンジョンに向かおう。」


と言うわけで地下ダンジョンにそのままの足で向かった。


『今日は何階まで目指しますか?』


「うーん、そうだなぁ?

地下7階の途中までは行きたいな。」


『7キライ( *`ω´)』


ジョーカーは7という数字がキライみたいだ。

多分、最殺で7がハズレだからだろう。


とにかく俺たちはいつもの様に、ダンジョンに入った。


地下3階まではふうすけが余裕で倒していく。


地下4階からマルシャが、地下5階から俺が、参戦して、地下6階になった。


ゴースト区域だ。

俺たちが苦手とするダンジョンであり、みんなで、参戦して戦った。

やっとボスを倒して地下7階になった。


地下7階は盗み系のモンスターが出るらしい。

スティールピッグにパックンチョ、盗人猿など。

要するにアイテムを盗んでいく。


「あ、呪いの剣盗まれた…!」


俺は武器まで盗まれてしまった。


『バカ×o(`ω´ )o』


ジョーカーが言う。


「あれ?

ジョーカーお前サイコロ一つ無いぞ?」


『盗まれた…(T ^ T)』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る