第23話 そうしてデートを終えた。

 第二ステージに進むとそこは3枚の紙が置かれていた。


【問題1.「ある」の列にはあって、「なし」の列には無いものは?】


 ある   なし

 日本   網羅

 肉牛   先月

 牛乳   仙台

 会社   混乱

 現実   五月


【問題2.□に入る漢字は?】


   合

   ↓

 総→□←会

   ↑

   説


【問題3.A+B+C+Dはいくつ?】


 88→A→24

 45→B→0

 76→C→8

 29→D→8


 そうして、部屋に入ると同時にまた時計が進み始める。

前回と同様に30分のようだ。


 とりあえず、協力して解くことにする。


 まずは...問題1か...。左の列にあって右の列にないもの...なんだ?

二文字の漢字...っていうのもヒントなのかな?


 一見、何の関係性も見えないけど...。

そのまま二人でうーん...と悩み続ける。


「ローマ字にするとか...」「なんかの文字を足しても成り立つとか?」


 そうして二人で悩み続けるがなかなかいい案が出ずに頭を悩ませていると...。


「逆から読んでみる...にほん...いや...読めないよなぁ...」とつぶやくと「あっ!それです!」と、風夏が閃く。


「え?どういうこと?」


「日本→本日、肉牛→牛肉、牛乳→乳牛、会社→社会、現実→実現になるってことです!!」


「...ほほう...なるほど...確かに!!」


 そうして、1問目の解答欄に書き込む。


 次は...□に入る漢字か...。合□、会□、総□、設□...ねぇ...うーん...。全然わからない。


「設立...は違うし...合同...?違うなぁ...合格?...総額...」


「ふっふっふ...私わかっちゃいました!」


「え!?はや...まじかよ...」


「はい!けど、今回は私は答えを教えないので、自分で考えてみてくださいw」と、少し意地悪なことを言う。


「えー...まじ?...とけるかな...」


「できますよ!大丈夫です!」


 しかし、時間が過ぎてだけで全然わからない...。


「そうですねぇ...あとは□画とかもありますかね...?あとは□算とか~?」


「...あっ!計か!」


「正解です!」と、二人ハイタッチをする。


 残り時間は15分になっていた。


 ようやく3問目に移るが...。二人とも全くわからない...。


「え?やばい...全然わかんない」


「私もです...ナニコレ...どうなってんの?」


 刻々と過ぎていく時間...。

結局、3問目がわからずそこでリタイアとなってしまうのだった。

(※答えは144。88(8×8)→64(6×4)→24、45(4×5)→20(2×0)→0、76(7×6)→42(4×2)→8、29(2×9)→18(1×8)→8...)


 答えを聞いて悔しがりながら参加賞をもらってデスゲームちっくな脱出ゲームを終えるのだった。


 その後はカフェでのんびりして...それから風夏の好きなカラオケに行った。


「いぇー!盛り上がってる!!」という言葉にシャンシャンとマラカスを鳴らす俺。

最近はやりのデュエット曲を一緒に歌ったり...ひとしきり盛り上がったところで、予約していたちょっとお高目なお店でご飯を済ませる。


「...おいしいです!これ!」と、テンションを上げながら今日あったことを振り返る。


「楽しかったです!今日!!最高でした!」


「そっか!喜んでくれたならよかった!」


 そうして、二人で手をつないで家に帰る。


 風夏と改めてデートして分かった。

やっぱり...すげー楽しい...。素の自分を遠慮なく出せるし、風夏も心の底から喜んでいるのがわかって一緒にデートしてこんなに楽しいと思えたことは今までなかったかもしれない。


 どこか気取ったり...カッコつけたり、変に気を使ったり...そういうことをせずに済むのはやっぱり...風夏だけなのだと思う。


 そのまま駅に着くと、いつもなら家に来たがる風夏はあっさり「それじゃあ!」、頬にキスをして手を振りながら帰るのだった。


「おっ...おう。じゃあ、またね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る