第22話 第一ステージ突破!!
ベランダに出て、 今一度自分の胸に手を当てて考えてみる。
俺は一体どうすればいいのか...どうしたいのか...。
多分、すぐに答えが出るようなことではない。
それでも...ゆっくりと目を閉じて考える。
風夏...と一緒にいた時間はそれはそれは心地よいというか...新鮮というか...。
それに10年間好きでいてくれたということが...何より嬉しいし安心できる。
もう...裏切られるのは怖いから...。
玲さんとの一緒の時間はまるで昔に戻ったようなそんな感覚に陥って...。
やっぱり昔から好きで...ずっと一緒に居たくて...そして玲さんのほうもそう思っていくれていて...。
きっと、もし先に玲さんと再会していたのなら多分迷うことなく玲さんを選んでいた...と思う。
やっぱり考えているだけではだめだな。
ちゃんともう一度会って話をして...そして...それから考えよう。
そう思い俺は風夏に連絡するのであった。
『今度の土曜、時間ある?』
『はい!』
そうして、デートの予定を立てるのであった。
◇土曜日 PM1:30
「お待たせしました!」と、元気よく挨拶する風夏。
「ううん、全然待ってないよ?」
「そうですか?へぇ?言いますねぇ...プレイボーイですかぁ?」
「プレイボーイではない」
「ですよねwそれで?今日はエスコートしてくれるんですよね?」
「...おう。今日は俺に任せてくれ」
「はい!楽しみにしてますね!」
まずは手始めに...。
俺は予約していた脱出ゲームの会場に向かうのだった。
◇
「ほほう?脱出ゲームですか?」
「うん。ほら、前にこういうのやってみたいって言ってたじゃん?」
「よく覚えていましたね!正解です!こういうの来てみたかったんです!」
そうして、二人で入場する。
二人一組の脱出ゲームとなっており、まるでデスゲームの会場のように真っ白な部屋にはいったところでゲーム開始となる。
すると、テレビモニターに映像が流れ始める。
そこにはウサギのぬいぐるみが映っていた。
『脱出ゲームにようこそ!僕の名前はウサギのウッサー!よろしくね!さて、さっそくこの脱出ゲームについて案内するよ!毎度ステージごとに僕が問題を出すからそれに答えてくれればいいだけ!ね!すごく簡単でしょ!ステージは3ステージまであって、もし正解したら...次の部屋に進めるの!ステージが進むたびに難しくなるからね!さぁ、ルール説明が終わったところで早速スタートだよ!』
【第1ステージは5問中3問クリアで次のステージに進めるよ!わからなかったら問題をスキップできるからその時は声をかけてね!
問題1.ハムがなる木ってどんな木? 30:00:00】
第1ステージはなぞなぞステージってことか?
すると、問題文の横にある数字が動き始める。
30分以内でってことか?
さてと...ハムがなる木か...。と、悩んでいると「これは松ですね」と一瞬で答えを導き出す風夏。
えぇ、はやぁ...。
そして、目の前にあるボタンを押しながら「「松!!」」と二人で答える。
すると、ピンポンピンポーンという音が鳴り、次の問題が出題される。
【問題2.扇子を持っていると乗れない乗り物ってなーんだ! 29:15:45】
センスを持っていると...乗れない乗り物?なんだそれ?
センス...?言い換えか?うーん...と、1分ほど考えていると「わかった。潜水艦だ。センスイカンってことですよね!」
「...なるほど」
「せーの「「潜水艦!」」
やばい。まじで役に立っていない。というか、風夏がすごすぎないか?
【問題3.いま、なんじ? 27:50:11】
なんだこれ...。ちなみに今の時刻は13:40...だけど多分これは関係ないよな...。
そうして、5分ほど二人で悩む...。
ん?なんでこれ平仮名で書いてるんだ?それも、『今、なんじ?』や『いま、何時?』や『今、何時?』ではなく...『いま、なんじ?』...ということはひらがなであるということに意味があるということ?
そこで閃いた。
「...いま、なんじ...いま、何字ってことじゃない?つまり二文字だ!!」と、ようやくさえた答えを出すことに成功した。
「なるほど!やりますね!」
「せーの「「二文字!!」」
そうして、無事に第一ステージを突破するのであった。
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